11 な ページ12
ジャミルは続けて言った。
「俺がもし、この宝石を手に入れたならこれを持って旅に出ようとか考えるけどな」
『それはつまり、この宝石があれば従者から自由の身になれると言いたいのですか？』
ジャミルは少し頷く。
そして宝石をじっと見つめた。
「でもそんなことしたら、きっと親たちからもアジーム家からも激怒されるだろう。だから俺は、一生そんなことできないんだ」
『……自由』
レオナ様に拾われてからは、考えたこともなかった。けど、自由を望む日なんて私には永遠に来ない気がするな。
「それじゃあ、俺は行くよ」
行こうとするジャミルを私は止めた。
『………ジャミルさん。待ってください』
ジャミルが不思議そうに首を傾げる。
私はつけていた髪飾りから金の髪飾りをとってそれを彼の手の上にのせた。
「これも、カリムにか？」
『いいえ、これはあなたに』
「俺にくれる……どうして？」
『あった記念ですね。またどこかでお会いしたらこれで思い出してください』
それを聞いてジャミルは少し笑うと、髪飾りを結んでいる髪に丁寧につけた。
「どうだ？変じゃないか？」
『良くお似合いですよ』
「俺に何かをくれたのは、他人じゃアンタが初めてだ。ルーナさんだったな。覚えておくよ」
『はい。それではお気をつけて』
後ろ姿を見送りながら、息を吸った。
突然だけど、ひとつ秘密を教える
私は小さい頃から実戦魔法なんてほとんどやった事がない。魔法史や、飛行術、薬学は学んだけど。それじゃあ物足りなかった。
だから密かに父上に隠れて、ユニーク魔法の練習をしていたの。
『あの子から……負の感情の匂いがする』
私は独学でユニーク魔法を磨いて、
��魔法使いのブロット量を見ることが出来る��
そして、抱いている負の感情を
��増幅することができるんだ��
でも、増幅させてオーバーブロットなんて危険なことしたくない。だから、危ない人には私がつくった魔法道具(抑制剤)をあげる。
きっとあのジャミルさんは……
カリムさんの事で何か悩んでいるかもしれない。彼が主の背中を見つめるときのあの氷のような無感情な瞳の色。
恐ろしく暗く、憎悪と悲しみに溢れていた
『(あの目は、レオナ様と同じ。希望をなくした哀れな人間の目………)』
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華麟(プロフ) - オレオレオさん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年12月15日 22時) (
レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
オレオレオ - すみません、21話が更新されないまま22話が更新されてるんですけど、これはこっちの問題なんでしょうか？ (2020年12月15日 18時) (レス) id: ba06124240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - え、めっちゃ続き気になります！カリム達と出会ってるからルーナも行くのかな？NRC、 (2020年12月11日 16時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Estel | 作成日時：2020年12月5日 23時
