10 あ ページ11
たしかカリムは……資料に載ってたはずよね。頭の中で思い返しながら、彼らの名前を探した。あ、見つけた。この子達は、、
熱砂の国大商人アジーム家の跡取り息子
カリム・アルアジーム
もう1人の方は、有名な家柄ではないけれどアジーム家に従者として使えるバイパー家。
ジャミル・バイパー
初めて見たので、こんな顔をしていたんだ。と感心した。背の高さもカリム・アルアジームの方は私とさほど変わらない。
ジャミル・バイパーは少し大きいくらいかな
私はカリムに手を差し伸べて、優しく起こしてあげた。洋服についたシワを取ってあげる。
「ありがとうな！俺、カリム・アルアジーム！あんたの名前は？猫の獣人さん」
『わたくしはルーナと申します。宮殿のことで分からないことは何なりとお申し付けを……』
「そんなにかしこまるなって！俺たちはもう友達だろ！？あ、お詫びの印に何か……」
カリムがそう言って、ポケットをゴソゴソとあさり始めた。何が出てくるのかと思いきや。
『！？そ、そのようなもの頂けません』
「いいだろ？貰ってくれよ！これ、クロムスフェーンっていう宝石なんだ。ほら、緑なのに反射すると赤に光る。すごいだろ？」
手にコロンと乗っかったのは、クロムスフェーン。ほとんどとれないと言われている宝石で、光によってホログラムのように様々な色に乱反射するのだ。
やっぱり、こんな貴重なものを召使いにくれるなんて、お金持ちの金銭感覚はどうかしている。レオナ様だって、この前私に10万マドルを渡してメシを買ってこいと言ってきた。
『ありがとうございます』
お礼を言うと、カリムはにっこり微笑んで人混みの中へ行ってしまった。
太陽みたいに温かい子だったな。
さて、この宝石は………
カリムの背中を呆然と見つめているもう1人の方の少年の肩をトントンとたたいた。
『ジャミル・バイパーさんでしたよね？』
「………俺を知っているのか？」
『お客様のお名前はほとんど覚えていますよ。そうだ、頼みを聞いて貰えますか？』
「面倒事じゃなきゃ、やってもいい」
『面倒事なんかじゃありません。この宝石、私にはもったいない。だから、こっそりカリムさんのポケットに戻しておいてください』
ジャミルの手の上に宝石を置く。
「……本当にいいのか？この宝石、家をひとつは買える価値があるんだぞ？」
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華麟(プロフ) - オレオレオさん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年12月15日 22時) (
レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
オレオレオ - すみません、21話が更新されないまま22話が更新されてるんですけど、これはこっちの問題なんでしょうか？ (2020年12月15日 18時) (レス) id: ba06124240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - え、めっちゃ続き気になります！カリム達と出会ってるからルーナも行くのかな？NRC、 (2020年12月11日 16時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Estel | 作成日時：2020年12月5日 23時
