【ヒロアカ】貴方の腕の中で。【爆豪勝己】 (ページ15)

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52話ページ15

「それ、爆豪のパーカーじゃん！」

「え、なになに！やっぱ三角関係！？」

『え、えーと…』

透ちゃんと響香ちゃんに押され言葉を濁す。

「爆豪に会ってたってこと…？」

響香ちゃんがそう言うと、一瞬静まり返り、わっと透ちゃん達がが騒ぎ出した。

「三角関係じゃーん！ドラマー！！」

「えー、ズバリどういう関係ですか？」

『お風呂上がりにバッタリ会っただけ…寒がってたら貸してくれたの』

バッタリは嘘だけど。
嘘ついちゃうなんてサイテーだな私。

「爆豪くん、Aちゃんには優しいよね」

お茶子ちゃん達まで加わってしまった。

「確かにー！いつもシネ！とかうるせぇ！とか怒鳴ってるのに！」

「みんな、それくらいにしておきましょ？そろそろ先生が見回りに来ちゃうわ」

梅雨ちゃんが気を使って止めてくれて、なんとか寝に入ることが出来た。

私も布団に潜り、スマホを開く。
勝己とのトーク画面を開いて文字を打った。

A何言いかけてたの?

勝己はよ寝ろ

A気になって朝も眠れないよ

勝己おー、ぐっすり寝ろ

Aねぇ、ごめんってば!教えてよ

勝己そのうちな

Aけち

勝己明日もはえーんだから寝ろや
明日教えてやる

Aわかった、また明日ね!おやすみ

こんなちょっとしたやり取りでさえ、頬が緩むほど嬉しいなんて。
勝己への気持ちが大きくなればなるほど、電気への罪悪感が深まる。

別れるべき。
分かっている。
だけど、合宿中は嫌でも顔を合わせるしせめて合宿終わってからにしなくちゃ。

パーカーを着たまま布団に入っているから、息を吸えば勝己の匂いがして安心した。
アーモンドのような、ニトロの匂い。

私はパーカーの袖をぎゅっと握り匂いに包まれながら目を閉じた。

あぁ、これがきっと好きという事なのだと。