50.5話 🐸side ページ13
「Aちゃん」
『あ、梅雨ちゃん』
「なんだか暗い顔してるわね」
『そうかな…』
少し前に上鳴ちゃんと付き合い始めたAちゃん。
とても可愛くて、とても優しくて、仲良くなりたいと思ったの。
USJの1件で見かけた時は、爆豪ちゃんの事が好きなんだと思っていたけど、上鳴ちゃんと付き合ってる。
ちょっと前まで、ニコニコしていたAちゃんが、暗い顔をすることが増えて気になってた。
お風呂に入っている時もそう。
先にあがると言って出ていったAちゃんを追ってきた。
『梅雨ちゃん、私すごい最低だと思うんだ』
「どうしてかしら？」
『電気と付き合ってるのに、他の人のこと見ちゃうんだ』
「…爆豪ちゃんね」
『あ、バレてたかな…』
「そんな気がしていたわ」
『電気のことも好きだけど、勝己はなんか違うんだ…恋愛よく分からなくて…』
Aちゃんは、濡れた髪を拭きながら上鳴ちゃんと付き合うことになった経緯を教えてくれた。
『ね、最低だよね』
「上鳴ちゃんはそれでも喜んでいそうだけど…」
どうお返事してあげることが正しいのかしら。
恋愛なんて難しいもの。
「ごめんなさい…私も恋愛はよく分からないから良いアドバイスは出来ないけれど、上鳴ちゃんにもAちゃんにも幸せになって欲しいと思ってるわ」
『梅雨ちゃん…』
「我慢する恋愛はきっと辛いと思うの…ケロ」
『そうだね…』
Aちゃんはとても寂しそうな顔をした。
なにか声をかけなければ、でもなんて言えば…。
私が言葉を出すより先に、Aちゃんは聞いてくれてありがとうと私に言うと、荷物を持って出ていってしまった。
「梅雨ちゃん？」
「ケロ…お茶子ちゃん」
「浮かない顔しとるけど、何かあった？」
「私、Aちゃんともっと、ちゃんと仲良くなりたいわ」
「私も仲良くなりたいなぁ〜Aちゃん可愛ええもんな〜」
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作者名：すもももも | 作成日時：2022年9月5日 15時
