50話 ページ12
疲れ果てた皆が帰ってくる。
自分たちでカレーを作れと言われ、げっそりした顔がさらにげっそりしている。
1度着替えて、再度外に集まる。
なんだかんだ、みんな楽しんでる様子。
もちろん私も手伝う。
『轟くん…こっちにも火つけてくれるかな』
「ああ。もちろんだ」
『わあ…便利』
「そうか？」
『うん！だってこっちは氷が出るんでしょ？』
「ああ、出せる」
轟くんはそう言って掌で、氷で出来たくまを出した。
『起用…！かわいい！』
「…気に入ったのなら癒月にやる」
『可愛いけど氷じゃ溶けてなくなっちゃうでしょ？それはなんだか寂しいから大丈夫』
「溶けなきゃいいのか…？」
『溶けないくまならずっと持っていられるしね！』
「癒月はくまが好きなのか？」
『うん？可愛いし好きだよ？』
「そういえば、バッグにも付けてたよなくま」
『よく見てるねー！』
轟くんってこんなに喋る子だったんだ。
ちょっと意外かも。
「爆豪！爆発で火つけれね？」
「つけれるわ！！クソが！！！」
怒鳴り声と同時に起こる爆発音。
…ホント手加減知らないなあ。
爆破されボロボロになった網達。
勝己は不貞腐れたように歩いていってしまった。
『私、ちょっと行ってくるね』
私は、お茶子ちゃんに声をかけて勝己を追った。
『勝己』
「…なんで来てんだよ」
『なんとなく…？』
「俺についてきたらアホ面がキレんじゃねぇの」
『電気はそんな人じゃない…と思う…』
勝己なりの心配なんだろうか。
電気も女の子と話しているのをよく見るし、私もクラスメイトや鋭児郎達と話すけど、特別何かを言われたことは無かったし、大丈夫だと思う。
『とりあえず、戻ろうよ！お腹すいちゃうし！』
何とか連れ戻して、出来上がったカレーを食べる。
もちろん隣は電気。
「特訓終わっても顔見れるの嬉しいなぁ〜」
『ふふ、私も頑張ってるとこ見れて嬉しいよ』
「はー！俺もっと頑張っちゃうもんねー！」
電気はそう言って残っていたカレーをかき込んだ。
少し寂しそうな顔をした範太と鋭児郎を置いて。
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作者名：すもももも | 作成日時：2022年9月5日 15時
