49話 ページ11
合宿2日目。
朝早くから本格的な特訓が始まった。
それぞれの個性に見合った特訓方法。
私はただ見てるだけしかできないのだけど、こうして見てるとやっぱ、ヒーロー科すごいなと思う。
ひたすら個性を使って限界を超える。
相澤先生に私も特訓しとくように言われていた。
「癒月、この機会だお前も特訓しておけ。お前の場合は限界値が低すぎる。完治させろとは言わないが、少しでも長く多くの人々の治癒を出来るようにしといた方がいい。ヒーローにならずとも個性を強化しとくことに越したことはない」
『はい…ですが、どう特訓したら…』
「コイツらの治癒を1人でも多く頼む。それでお前の限界値を少しでもあげていこう」
キャパオーバーし倒れた時のことを考えて、夕食後、お風呂前に1人でも多く治癒を施すことにした。
まずは、今のキャパを知ること。
完治させずともどれだけの人数を治癒できるのか、どこまでの治癒を施せるのか。
私の個性は、リカバリーガールのように対象の治癒力だけを使うわけではない。
分かりやすく言えば、私の体力値が100あるとするなら、10使って相手の10分の治癒力を働かせる。
よって、相手の値はプラマイゼロ。
相手は疲れることなく傷の回復ができる。
傷が大きければ大きいほど私は体力を消耗し倒れてしまう。
少し休めば多少は回復するからまた再開することもできる。
だけど、身体への負担は大きい。
自分に使うこともできるが、自分の体力を使うため結局私は疲れてしまう。
ちょっと難しい個性。
「A」
『あ、洸汰くん』
「飯の準備手伝ってくれって」
『うん！もちろん！』
洸汰くんとマンダレイ達の元へ行く。
「これ、外に運んでおいて」
『はい！』
今日はカレー。
みんなで作るらしい。
小学生の頃やったなーこういうの。
これ、飯盒炊飯って言うんだっけ。
火起こしからご飯まで全て自分たちでやるの。
『楽しみ〜』
「Aはカレーも好き？」
『もちろん！美味しいものはなんでも好きよ』
「そっか」
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作者名：すもももも | 作成日時：2022年9月5日 15時
