私がサッカーを嫌いな理由

17話 ページ19

2次選考になっても、勿論やる事は変わらず…

ドリンクの補充へと向かう途中…廊下の角から顔見知りがでてきた…



「潔くん!」


潔「ん?…おぅ!夢主!」


凪「…え?ほんとだ夢主じゃん」



「凪くん?」


潔くんの後ろから凪くんが顔を出した……

意外な組み合わせに驚いていた…



「…もしかして、2人ってチーム?」


潔「あぁ!…本当は蜂楽もいたんだけど…」



「…そっか」




どうやら、蜂楽くんは最初に戦ったチームに引き抜かれたみたいだ…


早速、この2次選考の残酷さを痛感した…



「それにしても、この2人が組むとは思わなかったな?」



凪「そぉ？
最終戦から潔の事は気になってたし…」


「へぇ…凪くんから気に入られるって、潔くんは凄いね」


潔「へ？お、おう」




凪「潔、顔赤いよ」


潔「うるせぇ!」





蜂楽くんが引き抜かれたと聞いて、心配していたが……

余計なお世話だった様だ…。



「…健闘を祈るよ…


それじゃあ」



潔「おぅ!またな…」



凪「…じゃーね」




2thステージと3thステージのエリアが終わり…


最後に４thステージのエリアを回っていた…




流石に始まったばかりだから、他のエリアより人は少なかった…




蜂「あれ?おーい!!


夢主ー!!」



聞き覚えのある声に思わず振り向くと…そこには、トレーニングウェアを着ている蜂楽くんがいた…


なんだろう…潔くんと会ったあとだし、気まずく感じる。



「…蜂楽くん!

なんだか、久しぶりに感じるね?」



蜂「ほんとだね!!良かったぁ夢主と会えて!」



いつもの蜂楽くんに見えるけど…

その無邪気な笑顔は、どこか寂しそう…



蜂「あっ!!ちょうどいい、夢主!!


練習付き合って!!」




「…えぇ!?」



まさかの申し出に、戸惑いを隠せない…

そんな私を他所に、蜂楽くんは私の手を引いて練習へ連れて行こうとする…




「ちょっ!!ちょっと蜂楽くん!!」



蜂「いいからいいから!!」





結局、ついてきちゃった…


練習用のフィールドは丁度人がいなくて助かった…。


蜂楽くんから「そこに立ってて」と指定された位置に立っていると…足元にサッカーボールが転がってきた…



蜂「ほら、こっちに蹴って?」



「…もぉ、ちょっとだけだよ…」




言われた通り、蜂楽くんの足元へとボールを蹴った…

軽い、パスの練習…こんなのでいいの?


「ねぇ、蜂楽くん…私より、もっと適任いると思うんだけど…?」


蜂「…俺は夢主がいい」

18話→←16話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す