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111話 過去編 ページ36

柚「なんで、私を捕まえないの…?」





?「…なんでだろうなぁ?




それより、早くここから離れろ…





生きろって言われたんだろ…?

だったら、全力で生きろ」



柚「…うん!!」






私は立ち上がって、その場から離れた…。




ひたすら、走って走って……肺が押し潰されそうでも足を止めなかった。




そして、森を抜けると…コンクリートの道が見えた。


その道を、歩いた…


しばらくすると、街が見えてきた…


柚「おじさんが言ってた通りだ…!」




街に入ると、以外にも人はいなかった。


居ても、傘をさして通り過ぎるだけ…


当たりを見渡すと、青い旗……あそこに行けば助かる。




青い旗を目指す…クタクタの体を動かす…。


やっとこさ着いた施設に入る。




「はい?…きゃぁぁ!!

どぉしたの!!大丈夫!?」


大人の人が何人か集まって、介抱してくれた。


「…大丈夫?…どこから来たのかな?親は?」



柚「…居ないの……」




「戦争孤児かしら……可哀想に…



あっそうだ……お名前は?」


柚「………名前…」



生きなきゃ…柚華という名前は…すぐにバレる。



自分を偽らなきゃいけない…生きるために。


…私は、柚華じゃない。



偽名(ぎめい)



ぎめえ………み、な



柚「………えめぎ…みな…」



「えめぎ、みなちゃんね…疲れたでしょう……


中に入ってお休み…」






その日から、自分を偽らなきゃいけない日々が続いた。



周りを見ないといけない…気にしないといけない。

とても、疲れたの…




けれど、みんなといる時だけは…ほんの少しだけ…



素でいられてたかもね…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
簓side




簓「これが、柚華ちゃんの過去や…」






左「……柚華…」





盧「…そうやったんか…辛かったなぁ、柚華ちゃん…




ホンマに…気付いてあげられんで、すまへんなぁ!」



中には泣いてる奴もいた……黙りこくる奴も…


それぞれ思うことはある……。





柚華ちゃんは、騙してた訳やない…


偽ることしか選択肢がなかっただけや…


ホンマは…すげぇええ子やのに……ずっと自分を押し殺して生きてきたんやな?






そんな思いも…今の柚華ちゃんに届くのは難しいなぁ




二「…うっ…柚華…姉ちゃん…」



三「…っ…」



乱「…」


寂「…」



皆、帰ってしもうた時…俺が1番最後に残った。


すると、もう1人病室を訪れたのは…




簓「…よぉ、一郎…遅かったやないかい」

112話 簓side→←110話 過去編※



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カメ - すっごく続きが楽しみです!更新楽しみです!作者様のペースで更新お待ちしております! (2021年9月16日 1時) (レス) id: a727910568 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもっちもっち - はじめて!一気読みさせていただきました。とてもおもしろかったです!更新楽しみにしてます! (2021年9月14日 19時) (レス) id: dfec547105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユミカン | 作成日時:2021年7月19日 0時

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