110話 過去編※ ページ35
あたりは、森で人里離れた所に研究所はあった。
しばらく歩くと… 海鼠子が目を覚ました。
海「…ゆ…ずか?」
柚「ことこ!!…外だよ!!
出られたんだよ!!」
海「…そっか……外か…
少し、寒…い…ね」
柚「そうだね……雨も降ってるしね…」
すると、遠くから大人の声が聞こえた。
「子供はどこだ!!
そっちに居ないのか!!」
やっぱり、私たちを探してるんだ。
海鼠子の腕を抱えて、歩いた。
海「………柚…か…
私を……置いて……にげ、て?」
柚「何言ってんの!?もう少しだよ!!
あと少しだと思う…だから」
海「…もぅ………いいんだよ……
力が…入ら…ないんだ………」
柚「約束したじゃん!!!歌手になりたいんでしょ!?」
海「……ごめんね」
そういった途端、いきなり海鼠子が倒れ込んだ。
私も咄嗟のことで支えきらずに、体制を崩した。
柚「海鼠子!?…ねぇ！！」
海「…はァ…ごめん…無理…そうかも
柚華…歌…上手…だったよ?」
柚「…何言ってんの!? 海鼠子のが上手いに決まってんじゃん…!!
だから…だから…」
自然と涙が出ていた…雨と混ざって…
分からなかったけど…その証拠に体は寒いのに目頭は熱い。
お互い泥だらけで、血の色もわらなくなった。
海「…私……柚華と……歌手になり…たかった…な…
無理そ…だけど………」
柚「…ダメだよ……1人にしないでよ!!」
海「…いきて……生きて……柚…か…
わた…しの、分まで……」
柚「なんで… 海鼠子…また1人じゃん…私は」
海「……ひと…りじゃない…友だち……つくれるよ」
柚「私はことこがいいの!!!
初めてだったもん…誰かの夢を応援したいと思ったの…」
海「……あり…がとう………
柚…か………」
柚「… 海鼠子…。
ねぇ、起きてよ…………寂しいよ……1人は寂しいよ!!」
亡骸を抱き締めて泣いた…
声を抑えて、唇をかみ締めて…周りに気が付かれないように。
すると、1人の大人が…こっちに来た。
その男の人は…明らかに研究員だったけど、何もしてこなかった。
?「嬢ちゃん……そりゃあ友達かい？」
柚「…うん…」
?「そうかー……
ここを降りてったら、近くに街があんぞ…」
柚「…え」
?「町に降りたらまずは…児童保護施設へ向かえ
大丈夫だ…青い旗がある…
見逃してやっからよ…行ってこい」
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カメ - すっごく続きが楽しみです！更新楽しみです！作者様のペースで更新お待ちしております！ (2021年9月16日 1時) (
レス) id: a727910568 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもっちもっち - はじめて！一気読みさせていただきました。とてもおもしろかったです！更新楽しみにしてます！ (2021年9月14日 19時) (レス) id: dfec547105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユミカン | 作成日時：2021年7月19日 0時
