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108話 過去編※ ページ33

その日から私と海鼠子は凄く仲良くなった。


夜通し話したりもした…







もう、親友…いや姉妹のように…










海「ねぇ、知ってる?


ここって、元は孤児院になる予定だったんだって…」



柚「え?…ここって孤児院じゃないの?」



海「…表向きはそうかもしれない…


けど、ここって…私達子供で実験してるの…


つまり私達は、被検体…モルモットだよ」



柚「…そうなの!?…皆は知ってるの?」


海「知らない子が半数だよ……知ってても、どうにも出来ない」



柚「…そっか…」




海「なんで、柚華はここに来たの?」



柚「…お兄ちゃんが問題起こしたらしくて…

私のお兄ちゃんここで働いてたから…」



海「……そっか…私は、親に売られた…


うちは元々、母子家庭だったから…余裕なかったの」



柚「そうだったんだ…もしかして、ここって…


家族に売られた子が多いの?」



海「…うん…人身売買で買った子達だよ…


しかも、無差別に選んでるんじゃなくてここにいる子達…私達も含まれるけど、共通点があるの…。



生死をさまよった事がある人…


それが何故か分からないけど…」




すぐに思い出した…お父さんとお母さんが殺される時に私も現場にいて巻き込まれた時だ…。




お兄ちゃんが言ってたことだけど、3日は起きなかった。


死んでもおかしくなかったらしい。




柚「…」




薄々感じてはいた…やっぱり、私はお兄ちゃんに売られたんだ…





海「…ごめんね…

あっ楽しい話しよ!!何かなぁい?」




柚「……じゃあ…











大きくなったら何になりたい?」




海「私は歌手になりたい!


みんなを喜ばせたいの…






だから、サッサとこんな所でってやるんだ!!」



柚「へぇ…面白そぉ…」




海「……柚華は?…」




柚「…私?…私は…



まだ、分かんないや…」



海「じゃあ、約束……一緒にここから出よう…」




柚「…うん…約束」




そう言って指切りげんまんをした…。



けれど、何時しか実験の内容が辛くなった。



最初は、聴覚の訓練や身体を動かす簡単なテストを定期的にするだけだった…



次第に…大きなスピーカーから流れる爆音を聞いたり、何故か体に電流を流されたりした。





その頃の私はその行為は辛いものでしか無かった…


それでも、1日を少しでも楽しく過ごせたのは海鼠子がいたから…





あの子と過ごす時だけは…辛い現実も何もかも…


忘れられる…唯一の存在だった……

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カメ - すっごく続きが楽しみです!更新楽しみです!作者様のペースで更新お待ちしております! (2021年9月16日 1時) (レス) id: a727910568 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもっちもっち - はじめて!一気読みさせていただきました。とてもおもしろかったです!更新楽しみにしてます! (2021年9月14日 19時) (レス) id: dfec547105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユミカン | 作成日時:2021年7月19日 0時

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