104話 過去編 ※ ページ29
その日は私の誕生日だった…
お兄ちゃんから「おめでとう」と言ってもらいたかった。
だから…今日は帰ってくるまで玄関で待っていた。
柚「お兄ちゃん…まだかな
あっ!!」
扉が開き…やっぱりお兄ちゃんだった。
靫「ただいまーって…
起きてたのかよ…お前」
柚「う、うん!!…今日は」
靫「早く寝ろ…もうこんな時間じゃないか」
柚「え?…お兄ちゃん、今日なんの日か知ってる?」
靫「今日?……
あー、何の日だったかな…悪ぃ思い出せねぇ」
柚「ほんとに思い出せないの?」
靫「…あぁ…まぁそんな事より早く寝ないと、不規則な生活になっちまうぞ?
あと、明日は早いんだ」
柚「…お兄ちゃんなんて、大っ嫌い!!!
いつもいつも、仕事ばっかり!!!!
お兄ちゃんだって本当は、私の事嫌いなんだ!!!!」
靫「…はぁ!?何怒ってんだよ…!!
たくっ疲れてんだ俺は…」
柚「もう知らない!!!!」
靫「俺だって、お前の事なんか知るか!!!」
そう言って家を飛び出した。
無我夢中で走り出した…寒いのに、上着なんて着ないまま…
公園まで来ると…私は、遊具の中に入って泣いた。
本当は…お兄ちゃん無理してるんだと思った…
私なんか、邪魔なんだよ。
柚「うわぁぁぁん…」
我儘な妹で…ごめんなさい。
私が残って…ごめんなさい。
柚「…寒い
お兄ちゃんにちゃんとごめんなさい言おう」
そう思って、来た道を帰ってきたら…
家の前に、知らない人達がいた…。
柚「…え」
?「…!?…あら、こんばんは…
もしかして、柚華ちゃん?」
柚「…うん、そうだけど…
誰?」
?「私は…
劗蔴 恵魅(きるま えみ)と言うものです…」
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カメ - すっごく続きが楽しみです!更新楽しみです!作者様のペースで更新お待ちしております! (2021年9月16日 1時) (レス) id: a727910568 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもっちもっち - はじめて!一気読みさせていただきました。とてもおもしろかったです!更新楽しみにしてます! (2021年9月14日 19時) (レス) id: dfec547105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユミカン | 作成日時:2021年7月19日 0時