【文スト】私の兄はシスコンです。【芥川龍之介】

拾捌話 ページ21

太｢いやぁ、此処まで来るのには苦労したよ〜。｣

芥｢何故、此処に居るのですか…っ。｣

与｢Aを連れ戻す為に決まってるだろう？｣

｢…っ！与謝野さんまで！！｣




何で、何でなの？？




どうして…、2人が…っ。




芥｢Aは僕が連れ帰る。｣

太｢その身体ならAも君から逃げれるだろうね。｣

芥｢もう、大分治ってるんです…っ。｣

与｢嘘をつくんじゃないよ。まだボロボロだよ、アンタは。｣

｢兄さん、無理しちゃ駄目だよ。ね、寝てよう？｣




起き上がり、何時ものコードを羽織る兄さん。




足下はおぼつかず、フラフラだ。




芥｢A、僕の後ろに…っ。｣

｢兄さん！安静にしてなきゃ駄目だって！｣

太｢何だか懐かしいね。まだ其方に居た時の事を思い出すよ。｣

与｢妹の言う事を素直に聞いとけばいいのにねぇ。｣

芥｢＿"羅生門"｣

太｢君は私には勝てないよ。＿"人間失格"｣




兄さんが放った羅生門を片手で止めてしまう太宰さん。




やっぱり太宰さんは、凄い人だ。




芥｢チ…ｯ｣

太｢さぁ、Aを返してもらおうか。｣

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