【文スト】私の兄はシスコンです。【芥川龍之介】

拾話 ページ12

｢何の、用ですか…。｣




探偵社から出て、首領にそう問う。




本当だったら私と首領の二人の筈だったんだけど、太宰さんが心配だからと言って付き添ってくれた。




森｢Aちゃんと…太宰も居るし二人に言おうか。｣

｢…。｣

森｢こちらへ戻ってくる気は無い？｣




わざわざこの人は探偵社までそれを言いに来たのか…っ。




｢…お断りさせて頂きます。｣

森｢君の兄も居るのに？｣

｢私の憧れは、兄さんでは無いので。｣

太｢彼女の憧れは私だからね。ねっ、Aちゃん？｣

｢ハイ。｣




幾らお世話になった首領の願いでも、これだけは従えない。




太宰さんが探偵社に居る限り、私も此処に居る。




森｢そうか…、悲しいよ。｣

太｢では、用はもう済んだでしょう。さぁ、お引き取り下さい。((ﾆｺｯ｣

森｢また来るよ。ではね、Aちゃん。｣

｢…また。｣




出来れば、もう会いたくない。




あの人はポートマフィアの首領。




私なんかが適う相手じゃない。




太｢もし、またあの人が来たら私も同行するよ。｣

｢ありがとうございます。｣

太｢さて、中に入ろうか。｣

｢…わざわざ階段使うんですか？｣

太｢うん、そうだけど？｣

｢私、エレベーターがいいです。｣

太｢君の方が若いんだから階段を登るべきだよ。｣

｢歳なんて関係ないです。4階までなんてえらすぎます。｣




ってなわけで、私はエレベーターで行きますよ。

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