エゴトレ！！５【ブルーロック】

181 : 大人同士の小競り合い ページ26

・





え。違った？？

「レディース♪」とか言い出すから、凪くんの曲芸ゴールの流れでサーカス的な何かが始まるのかと。(サーカス団のイメージが貧困ですまない)



ちなその華のある声の主は、イングランドチームの指導者ストライカー。



「……2―2というこの場面………ラスト1点を決めた者がヒーロー……」


『！』



クリス・プリンス選手が、どこか芝居がかった言い回しを始める。

これはもしや………アレが、くるんじゃ……っ？！



「俺がゴールを決めて、目立つためさ！！！」


『キタァァァァァ！』


《そこでいきなり絶叫すんじゃねぇよ痴女トレ。音が入っただろ、馬鹿》



絵心さんが怒るのも無理はないけど、私が ( 珍しく ) 叫んだのも無理はない。


だって。
だって目の前に……



【完全無双のパーフェクトボディ！】


「うわ、スケブ芸と顔芸だけでもめっちゃわかるわ。興奮してはるねぇ、Aさん」


【いえ、顔芸までしたつもりはありませんでしたけども。当然でしょう、氷織さん】



あの至高の筋肉、いつ見ても目の保養。



(……ああ、)



さ わ り た い……！！！！( 魂の叫び )



「ケッ………今コイツが何考えてんのか、俺はわかるぜ」


「奇遇やねぇ、雷市くん。僕もわかるわ」


【そこのドイツ組、思考読むのヤメテ。何か恥ずかしい】



「ハッ！」って何、めちゃくちゃ吐き捨てるじゃん雷市くん。ヤメテ、その嫌悪を隠さない視線。



………いや、まあとにかく。(咳払い)



ここでプリンス選手が、スターチェンジ・システムを使うということは。



「……理想理想って、結局自分が目立つコトしか考えてねーだろクリス。お前は」



「指導者失格だな」とジャージを脱ぎ捨てたのは同じく、ドイツチームの指導者ストライカー。


ですよねー。
当然お出ましになられますよねー。


「失格」と断じられてしまったプリンス選手は、表情を不敵なソレに変えながら、「これはこれは世界一さん」などと迎え撃つ。
　

去年のヨーロッパ最優秀選手賞、いわゆる「バロンドール」を獲ったのはノア選手。



「投票で決まるあの審査……俺は惜しくも2位だった……キミさえいなければ俺が1位だった……実に惜しかった……」


「俺882票、お前201票なのに？」


「言うなそれ！」


「1位と2位の差、過去最高なのに？」


「だから言うなってそれぇ！」


「大人げない……」


【幼稚なマウント取るなー言うたの、どのお口ですかね？】


・

182 : 新旧 ( 失礼 ) のデュエル→←180 : 曲芸か超常現象的な

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す