エゴトレ！！５【ブルーロック】

176 : 記録は、記録 ページ19

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(いや、情報量……)



とてもじゃないが、私のスケブ芸なんぞで実況可能なレベルではなかったそのゴール。



《………潔世一のアシストから國神錬介のウルトラボレーで、バスタード・ミュンヘン 2ー1、逆転だぁ！！！》



B.L.T.V.の、少々やかましいアナウンスをどこかぼんやりと聞き流しながら、この数秒間で繰り広げられたプレー達を振り返る。



潔くんの狙いを完全に読んでいたのは恐らく、カイザー選手ただ一人。


まあ味方同士でシュートを邪魔しあう辺りがドイツチーム、とも思う。とにかくカイザー選手は、潔くんのシュートコースを相当に狭(せば)めた。



(………ギリギリ、入ったかもしれないけど)



それでも潔くんはカイザー選手へのパスを選択せず、自らシュートを放った。カイザー選手の股を抜く軌道(きどう)で。

ボールはゴール左上、サイドネットへと向かっていったが＿＿＿＿＿＿＿＿



(バーに弾かれても、おかしくはない角度だった………のかな)



そこへオフサイド判定ギリギリのタイミングで飛び込んだのが、その前の潔くんのプレーで囮に使われた國神くん、という訳だ。



記録は記録。

潔くんのプレーが、どんなに神懸(かみがか)っていたとしても。



(ゴールしたのは國神くん、なんだよなあ)



ピッチへと視線を投げれば、潔くんがものすごい形相(ぎょうそう)で、カイザー選手と何やら会話をしている。



＿＿＿＿うわ。

お顔が怖いぞ世一ぃ〜。(誰かこのモノマネに気づいて欲しい)



まあ大方、カイザー選手にお約束で煽られているのだろうと予想しつつ、次にドイツベンチを見やれば。



(………へー。めちゃくちゃ興味深そうな感じで潔くんを見てますね、そこのマスター・ストライカーさん)



ドイツチームの現・指導者。
本人自身、 " 世界一のストライカー " であるノエル・ノアは、潔くんから視線を外さない。



【やはり潔世一、あのノア選手ですら興味を惹かれるレベルで、進化をとげたようです……！】


《で？ シュートシーンの実況は？》


【VTR再生で、ドウゾ】


《使えねぇスケブ芸だな》



いやもう、何とでも言って下さいよ絵心さん。←

この鳥頭で、あの一連のプレーを全て言語化できるとお思いで？？(開き直る)



総指揮からの悪口を、ぬるーく聞き流していた＿＿＿＿＿＿＿その時。



「？！」


『……っ、潔く』



ピッチでは潔くんが不意に＿＿＿＿＿＿膝から、崩れ落ちかけた。


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