エゴトレ！！４【ブルーロック】

149 : vs 千切豹馬 ページ30

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「うーす。Aさんにカラダ弄(いじ)られにきましたー」


『……ちぎりん、私が悪かった。日本語の言い方は学ぶ努力をするので、許して下さい』


「ほんと、よく今まで無事だったよなAさん。色々と」



「海外生活が長かったからか？」とご自分で思い当たり、頷いていらっしゃるのは千切くん。

今夜のお客さまである。←



午前中、イングランド棟に様子は見に行ったけれど、夜は夜でマッサージの予約を受けており。



「つか皆も言ってっけどさ。Aさんのマッサージ、更に予約困難になってねぇ？」


『あーおかげさまで。ほら、元U−20代表の人たちも増えたから』


「高すぎなんだよ、競争率」



ちぇ、と肩を竦めた千切くんに、施術用のベッドへ横になってもらう。今のところ右膝に問題は出ていないと、クリス選手からも聞いていた。



『引きつるような感じは？』


「それはねぇかな。熱持つ時もあるけど、アイシングすれば落ち着くし」


『なら良かった』



その箇所へ直に触れ、腫れの有無などを確かめる。本人の申告通り熱は感じるが。



『……大丈夫そうだね、腫れはない。ドクターにも報告しとく』



ん、と応じた千切くんは、うつ伏せへと体勢を変えた。張りを確かめながら、その脚に手を滑らせていれば。


＿＿＿＿＿私を呼ぶ、少しだけ掠れた声。



『……國神、どうよ』



一次選考のTeam Z時代から、國神くんと千切くんは良いコンビだった。「ワガママお嬢」と呼ばれる千切くんのフォロー、いつもしていたのは國神くんだ。


國神くんが脱落した二次選考の一番初め、ペアを組んだ相手でもある。



『本人のコンディションは良いね。でもまだドイツチームを飲み込めるまでのレベルでは、ないかな』


「いやいくら若手ったって、バスタード・ミュンヘンのメンバーだろ。そう簡単にいくかよ」


『まあね。………でも本当は、國神くん一人でもチームを圧倒しちゃうくらいに仕上げたかった』



目標はソコに置いていた。
私の力では難しいと、わかっていても。



「ふーん………ま、確かにアイツがもし、" ノエル・ノアの器 " に完全になれてたとしたら………有り得なくもねぇか」



「世界一のFWのコピーだもんな」とポツリと呟く声には、喜怒哀楽のどれがあてはまるのだろう。



それから少しの間、千切くんは口を閉ざし＿＿＿＿＿＿


さして広くはないこの部屋は、静寂に満ちた。


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