志望理由 ＝ 潔世一と結婚したい【ブルーロック】

番外編 : 潔世一は苦悩する ページ48

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潔世一は悩んでいた。



今や自身の職業となった、サッカーのことではない。


もちろんサッカーでも常に課題はあるのだが、それは自身が努力さえすればまあ、少しずつでも解決はされていく訳で。



(うーん……まいった……)



本日のチーム練習を終えた潔は、そのまま現在の地元・ドイツ国内の空港を訪れていた。


目的は、日本から自身に会いにくる恋人_______ちなみに交際開始から3ヶ月が経った_______の迎えである。



到着ゲートがよく見える場所に潔が立っていれば、時折、声を掛けられる。

「W杯優勝おめでとう」だとか、「バスタード・ミュンヘン応援してるよ」など。


それらに律儀にお礼を返す内、恋人が乗った便の到着案内が流れた。







ドイツと日本という、超のつく遠距離恋愛。
実際、恋人に会えるのは2ヶ月ぶりである。


だからその姿を遠目に確認した時、潔は自覚ナシに、口元をほころばせていた。



いつ気づくだろうとワクワクしながら、こちらへ向かってくる恋人を見つめていれば。



『……あ！ 世一さーん！』



案の定すぐに潔へ気づき、ぶんぶん手を振ってその名を呼ぶ恋人に、ついに潔も破顔する。



『お疲れ様です！ お迎えまですみません』



そんな潔以上に、惜しみなく大きな笑顔を見せるのは恋人_________AA。



潔が度々召集されるサッカー日本代表、それを運営するJFUの職員として、彼女は働いており。

潔と交際するきっかけとなったのも当然、そんな仕事絡みではあったのだが。




『結婚したいです!』




初対面________厳密に言えば二度めの出逢い________で、やはり満面の笑みでそんな宣言をされ、さすがに困惑したことを思い出し。


更に笑った潔を、彼女は笑顔のまま覗き込む。



『何かいいコトありました？ 世一さん、ご機嫌そうですね』



何の気なしに言ったであろうそれに、自分が大いに関係しているとは思っていないのだろう。


押しが強いようで、同時に彼女があわせ持つそんな謙虚さも、潔は好ましく思っている。



「ははっ………いいコトあったに決まってんだろ。久しぶりにAに会えたんだから」


『っ、〜〜〜！』


「ここで鼻血は吹かないで……」



だから潔は事あるごとに、その好意を言葉に変える努力をしていた。


結果的に何年、いや十何年も追いかけさせた彼女に、今は自身も同じ想いであることを___________



ちゃんとわかって、もらうべく。


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