志望理由 ＝ 潔世一と結婚したい【ブルーロック】

33 : 追い続けた夢が今 ページ37

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___________半年後。




「____っ、あーっとここでドイツ、中央のアレクシス・ネスから前線………10番・ミヒャエル・カイザーへピンポイントのパスだ！」



「ん！？ いやこれ読んでますね、烏選手！」



「6番・烏旅人がそれを見事にカット！ そのまま10番・糸師冴に、ワンタッチで速いパスを出す！………アディショナルタイムは……2分！2分です！」



「いいですね！ 走ってます前線！ カウンターいけますよ！」



「さあ、日本の至宝・糸師冴の左足は誰を狙うのか！ 実弟の糸師凛か、天才・凪誠士郎か、それとも________」



「蜂楽選手と千切選手、両サイドも上がってきましたよ！ これは枚数も勝ってます、いけ！！」



「糸師冴、ハーフウェイライン付近から前線へ………出した！！ 糸師凛が走り込む！…………ドイツDFは戻っているが！？ ………空中で競って………ボールが零れた！ その零れ球！」



「っ、ここに反応してくるのが………この人ですよ！！」



「潔世一だ！ 9番・潔世一が抜け出した！………そのまま右足！ 得意のダイレクトシュート！！」



「………っうわああああ！！ 決まったー！！！」



「っ目の覚めるような、見事なダイレクトシュートだ！！ ゴール右隅！！ 決まった！決まりました逆転！！ 日本、3点目！！………そしてここで………主審の笛が鳴りました！！」



「勝った！！ 日本優勝！？ え、夢じゃないよね！？」



「………北米W杯決勝戦、日本 対 ドイツ！ 試合終了！ スコアは 3-2、日本勝利！！ ついに悲願の………日本悲願の、W杯初優勝です！！！」

その光景は一生、忘れない。




怒号のような歓声に湧くスタジアム



ピッチで重なり合い、倒れ込んだ歓喜の輪



その中心で潰され笑う、大好きな彼の姿を



きっと私は忘れない




たとえ彼が、私のものにならなくても。







『……っ、アンリさんてばっ………泣き過ぎじゃ、ないですかっ……？』


「うぅ、Aちゃんこそっ……！」


「お前らどっちもどっちだろ」



いつもの口調で、いつもの小馬鹿にするような目で私達を見やった絵心さんの口角はでも。



私にもわかる程度には緩く、弧を描いていた。


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