志望理由 ＝ 潔世一と結婚したい【ブルーロック】

21 : せめて涙にして ページ25

・





さてワタクシAA、本日も張りきってお仕事です！


いや職場に最推し (言い方) が居るってすごい。
どんなに激務でも、気力が湧いてくる不思議。





W杯 アジア最終予選を目前に控え、海外組も無事全員が合流した、我らが日本代表。

この合宿で、チームを仕上げることに余念は無く。



最終予選を勝ち抜けば当然、W杯出場が決まる。
しかし代表チームの皆さんが目指すものは、ただひとつ___________



「優勝に決まってんだろ……！」


『っ、イキり世一きた！ すき！！』


「だから何なんだよ形容詞。後さらっと告んな、お前も仕事中だろが」


『いつでも告白する準備は出来ています』


「この一週間で何回されたっけ俺……」


「潔、その記憶ないとかヤバ過ぎん？」


「羨ましー」


『隠す気ないですよね千切さん。棒』



先ほどミーティングが終わったお三方に頼まれ、お茶などお出ししているところだったり。(ほんと役得でしかない)



『いや皆さんがW杯を掲げてる絵面を見られたら、アンリさんと一緒に号泣します』


「あー確かにアンリちゃんは、昔からよく泣いてたかも」



思い出すような顔をして蜂楽さんが言えば、潔さんと千切さんも笑って頷く。


そこには、もう何年もの月日を " 戦友 " として過ごしてきた間柄ならではの、特別な空気感があった。



『……いいなあ』



思わず漏れた小さな呟きに、「ん？」とすぐ反応してくれたのは潔さん。お優しい。



『あ、いえ………皆さんやアンリさん、絵心さんはほら、青い監獄プロジェクトからのお付き合いな訳じゃないですか』


「おう。もう10年って考えると、長ぇよな」



千切さんがそう応じれば、潔さんと蜂楽さんも「だな」と同意する。



『単純に羨ましいんです。皆さんがどういう過程を経て、世界一を目指せる選手になっていったのか………私も携わってみたかったなって』


「にゃはは……Aちゃんまだその時、ランドセル背負ってたんだもんね〜」


「そんなガキが、今や仕事相手かよ」


「俺らも歳取るワケだな」



ふざけてそんなことを言い、顔をくしゃりとさせて笑う潔さん。

そうしてまたすぐに。



「……でもAさんも、俺らが本物の世界一になる過程には、こうして携わってんだろ」


『っ、潔さん……！』


「おいやめろ、ここで流すなら涙にしろせめて」


『すみません千切さん。鼻血出かけたの見えました？？』


「はいAちゃん、ティッシュ」


・

22 : ぐるりと回った→←20 : 至宝兄弟、降臨。2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す