14 : 誤解ではあるのだけど ページ18
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そもそも今日の取材の予定は、烏さんと乙夜さんだけではなかった。
それはもちろん把握しており、もうすぐ潔さんも合流するかなあ、なんて実はソワソワもしていたり。
だから今ここに姿を現した潔さんが、決して予想外だった訳ではないのだが。
「あ………悪ぃ、邪魔したな」
『えっ!? 邪魔なんて全ぜ、』
「おー。良いトコだったのに」
『乙夜さん? 何が!?』
この短い会話に理解が追いつかず、戸惑う私の肩を抱き寄せた乙夜さんと。
それを見て、苦笑のような顔をする潔さん。
それから。
「何や潔、んなトコで邪魔やんけ」
「おう、久しぶり烏。いや………マジで邪魔だったみてぇだわ」
「…………何しとんねん乙夜。凡なんぞに手ぇ出して」
あっさり撮影を終えたらしい、烏さん。
何この状況。
「ん? いや改めて見ると、Aちゃん可愛いなーって。ちょっと興味出た」
『は? 乙夜さん何言って………ちょ、放して下さいよ……!』
その長い腕から抜け出すべく、身体をねじったりよじったりしていれば。
乙夜さんが、小さく笑う気配。
「潔さ。お前がAちゃんに興味ねんなら、俺がもらってもイイ?」
『はあ!?』
いやめっちゃでっかい声出た。
え? 乙夜さんいきなりどした? 何をトチ狂ったの??
ますます増える私の疑問符、しれっと平常運転な表情の乙夜さんに___________潔さんは。
「や、別に………俺が許可する義理でもねぇだろ」
『………っ、』
確かにそうだ。
私が一方的に、潔さんを好きなだけだ。
だから乙夜さんの意図はわからずとも、これだけは言えた。
________潔さんにとっての私は所詮、その程度。
「ま、そーだよな」
納得するかのように頷いた乙夜さんに、「おう」と応じて。
「じゃ、俺も着替えてくる」
一言残した潔さんは、烏さんの横をすり抜けるようにして、部屋から出ていく。
何でもないように、ごくごく自然に。
『………〜〜〜っ!』
「……え? 待て待て、待ってAちゃん違うよ」
「おーおー、まーた乙夜が女泣かせよった」
『泣いてなんか、ないです……!』
「うるへー、烏は黙っとけ。いやもう泣き掛けじゃん」
潔さんに誤解された。
でもそれは潔さんにとって、どうでもいいことで。
そんなの当然だと考える自分と、そんなの嫌だと思う自分と。
せめぎ合う思考と感情がごちゃ混ぜになった私は必死で、下唇を噛みしめていた。
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ひよ(プロフ) - 魔孤蠧マコトさん» 魔孤蠧マコト様、はじめまして!勢いのあるコメントありがとうございます♥ 大人になった潔のエゴみとか格好良さが、少しでも感じて頂けていたら嬉しいです! (4月14日 13時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
魔孤蠧マコト(プロフ) - ヴワ゛ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!潔のくせに!!潔くせにィィィィィ!!!!!可愛いくせにィィィィィ!!かっこよくなってんじゃねぇヨォォォォ!!ヴワ゛ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!最後で尊†┏┛ʚ♡ɞ┗┓†死したわ!!何だこの神作品は!!コロす気か!? (4月13日 18時) (レス) @page50 id: 96bbb29a63 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ちゃむさん» ちゃむ様、はじめまして! 完結済の話にコメント頂けて喜び舞ってます♥ 色々ストレートな夢主ですが、気に入って頂けたみたいで良かった…!ちゃむ様最推しを変更できて光栄です!(ニヤ )(悪いお顔) (3月21日 8時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - あ”あ”あ”あ”ぁ!!!お、終わってしまった…この作品の夢主好きだったのになぁ…てかひよさん!!どうしてくれるんですか!!?私の最推しがよっちゃんになっちゃったじゃないですか!(すんません) (3月20日 20時) (レス) @page47 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - しおさん» しお様、はじめまして!コメントありがとうございますめちゃくちゃ嬉しいです♥ ご指摘の通りスラ/ダンの曲でした!笑 気づいて頂けた! 夢主も気に入って頂けたようで良かったです(泣) (3月11日 12時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
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