刀鍛冶の娘【鬼滅の刃】【時透無一郎】

24 : 敬語禁止令 ページ25

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「小鉄くんにも会いに行きたい」と霞柱は宣(のたま)ったが、いかんせん早朝。


聞けばまだ、任務は免除されているらしい。
ですよね。あちこち包帯、巻かれてるしね。



帰りは急ぐ必要もないとのことで、一旦連れ立って療養所へと戻った。


すると用意されていたのは、二人分の朝食で。



「僕の分まで………ありがとう。急に来てしまったのに」


『あ、急に来たって自覚はあったんですね』


「いえ、とんでもない！ 霞柱様のお口には、粗末なもので………こちらこそ申し訳ありません」



療養所の先生の奥様がペコペコ頭を下げながら恐縮すれば、霞柱は悪戯っぽい顔で笑う。



「僕は元々、杣人(そまびと)の家の出だから。粗末なんて思わないよ、すごく美味しそう」



湯気の立つお味噌汁と山菜の混ぜごはん、それに漬け物。

「霞柱がいらした」と、混ぜごはんは急いで用意してくれたんだろう。


その言葉に嬉しそうに微笑み、「どうかごゆっくり」と奥様は部屋を出ていく。



「いただきます」と手と声を合わせ、味噌汁のお椀に口を付けた。美味しい。



「里を歩いてて思ったけど、もうだいぶ引っ越しも進んでるみたいだね」


『そうですね。もうほとんどの女・子供は、移ってるみたいです』


「……」


『いや私は怪我してるんで』



少し引っ越しが遅れてるだけで、女でも子供でもありますからね私。


そんな妙な言い訳を脳内でしていれば、霞柱はニヤリと少し、含みのある笑み。



「威勢が良いから、女子扱いされてないんだと思った」


『まあ、それは否定しませんけど』


「しないの？ やっぱりAって面白いね」



小さく吹き出してから、「あ、そうだ」とまた思い出したように口を開く。



「さっきから気になってたんだけどさ。Aっていくつ？」


『歳ですか？ 15になりました』


「僕よりひとつ上か」



おじいちゃんから歳が近いと聞いてはいたけれど、どうやら霞柱は14歳らしい。

すごいなあ、14で柱とか。



「じゃあ今から敬語は禁止ね」


『何ですか藪から棒に。いくらひとつ下とはいえ、柱に敬語使わないとかあり得ないですよ』


「………柱の僕に、『勝手に諦めてんじゃねーよ！』とか怒鳴ったの誰？」


『え。あれ聞こえてました？』



てっきり聞こえてないかと。



「それから、僕のことは無一郎って呼ぶこと。これは柱の命令だよ」


『友好的にいきたいのか脅迫したいのか、判断しかねるんだよなあ』


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