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そうしてまた、授業だの任務だのに慌ただしい日々が始まった。
時々は特級二人の任務に借り出されもして、セクハラをかわしつつ(←)も、一緒にこなして。
油断するとその合間に、またあの甘い言葉達を囁かれたりもして。
そんな日常に、恋愛ビギナーな私の感情が揺さぶられっぱなしなのは、言うまでもないのだが。
五条先輩も夏油先輩も返事を急かしてくることは相変わらず無く、かといって気が変わったような印象も無く_____
そんな二人の態度がまた、「ちゃんと悩んでちゃんと選べ」と言っているようで。
(……まさか自分に、こんなことがあるとはなあ……)
だって、「(世間一般でいうところの)イケメンに取り合われる」だなんて。
そういうことは「ただし漫画や小説の世界に限る」んだろうと思ってたから。
………これアレだよな、私もう一生分の男運を使い切ったんじゃないかな?(硝子先輩には「逆の意味でな」とか言われそうだが)
『………ほんっと、ゼータク………』
思わず一人そんな呟きを漏らしながら、自室のベッドにぽすん、と寝転んだ。
正直、きちんと向き合おうとすればするほど。
五条先輩の良い所にも、夏油先輩の良い所にも気づいてしまうから。
(………何にもわかってなかったんだなあ、私)
はあ、とつい漏れる溜息にすら、嫌気がさすけれど。
こんな状況を、いつまでもダラダラ続けて良いはずがない。
先輩達が本気だと言うなら尚更だ。
それに私はもうきっと_____
『………よし、』
" 思い立ったら即行動 " は、わりとポリシーだから。
ひとつ大きく深呼吸をしてから、スマホを手に取りメッセージアプリを開く。
任務中ならすぐには見られないだろうと思いながらも、簡単な言葉をいくつか打った。
どうやら先輩もたまたま、スマホを見られる状況だったらしい。
数分後、送ったメッセージには既読がついて返事をくれたから、任務の状況を聞きながら数回、やり取りをした後で。
緊張を隠せない指先でそう打てば、すぐに返ってきたのは。
了承の言葉と、帰寮予定の時間だった。
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番外編 5 : 夏油先輩に堕ちる→←番外編 4 : どちらを選んでも
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ひよ(プロフ) - ナミさん» ナミ様、こちらの話し作品にまでコメント頂き、本当にありがとうございました!嬉しかったです♥️ (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します。すごく面白かったです!最後まで面白いです!!最高です(^^) (2023年4月8日 10時) (レス) @page50 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - みーちゃんさん» みーちゃん様、はじめまして!完結済みのこちらにコメントして下さって本当にありがとうございます♥️ めちゃくちゃ嬉しかったです!お気に召して頂けたようで、光栄です! (2023年3月27日 16時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - 最高過ぎます...。オチが夏油サマと五条サマが交互にいらっしゃる(語彙力)のが最高過ぎますしTT最後の話もおもろくて最高···尊い (2023年3月27日 15時) (レス) @page50 id: 242dc6d800 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 夜月さん» 夜月さま、最後の最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました♥ 頂けたコメントのおかげで、何度助けられたかわかりません…!私もこの夢主、書きやすかったです(笑) また気が向かれましたら、新作も宜しくお願い致します! (2023年1月23日 20時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
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