検索窓
今日:13 hit、昨日:31 hit、合計:72,763 hit

ー2 ページ30








参道の脇には色とりどりの屋台の看板。


お祭りじゃ皆で死ぬほど食べたな、なんて思い出して、つい笑った。



「あの日はよく食べたなあ」



そんな風に同じ感想を漏らした先輩に驚いて、ついその顔を見上げる。

ん?と顔を傾けられ、吹き出しながら説明した。



『いや今、全く同じこと私も考えてて』


「ああ、それで笑ってたのか。皆で楽しかったね」



うんうんと頷けば、でも、と。続きが。



「………今日は私がAを独り占めできて、もっと楽しいし、嬉しいよ」



片目なんてつぶられたら、どうすればいいんだろう。こっちは恥ずかしいくらいの恋愛ビギナーなんだが。


ぐぬぬぬぬ、と小さく唸った私に夏油先輩はまた笑って、繋いだ手を軽く引いたのだった。














人の波を縫って参拝も終え。

他愛もない会話をしながら電車を乗り継げば、どうやら目的地へと着いたらしい。



『ア………ア、ア………ッ!』


「某ジ○リ映画の、某キャラみたいな反応になっているよ」



それカ○ナシのことかな?

実は自分でもちょっとそう思った、とはあまり言いたくないけれども。


いやでも語彙を消失したら、誰でもそうなると思うよ……!



『このお店って、』


「前に、行ってみたいって話してなかったかい?」



そこは都内でも超が付くほど有名な、老舗の洋食レストランで。

確かにいつだったか、スマホで紹介記事を見て騒いだ記憶はあった。でも。



『……知ってたんですか……?』



私の(つたな)い記憶が確かなら、その話を夏油先輩に直接したことはないのに。



「まあね。好きな子へのポイント稼ぎのために、情報収集は欠かさないよ」



ぱちりとまた左目を閉じてから、「入ろう」と夏油先輩は私を促す。

高級ホテルとまではいかなくても、その雰囲気は敷居が高めだ。



それにしても、「好きな子」って。

いきなりそういうことをさらりと言わないで欲しい。さっきからちょいちょい、心臓に悪い。



「ふふ、緊張しているのかい?」


『さすがに高校生だけで入るようなお店じゃないのは、私でも理解してます』


「大丈夫だよ、私に任せて」



軽く気後れした私の頭を、問題ないという風に軽く撫で、夏油先輩は穏やかに笑う。


その一連の動作に妙に安心させられ、お店の人に案内されるまま、席へと向かった。


ー3→←番外編 2 : 夏油先輩とデート



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (209 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
433人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:ラブコメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひよ(プロフ) - ナミさん» ナミ様、こちらの話し作品にまでコメント頂き、本当にありがとうございました!嬉しかったです♥️ (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します。すごく面白かったです!最後まで面白いです!!最高です(^^) (2023年4月8日 10時) (レス) @page50 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - みーちゃんさん» みーちゃん様、はじめまして!完結済みのこちらにコメントして下さって本当にありがとうございます♥️ めちゃくちゃ嬉しかったです!お気に召して頂けたようで、光栄です! (2023年3月27日 16時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - 最高過ぎます...。オチが夏油サマと五条サマが交互にいらっしゃる(語彙力)のが最高過ぎますしTT最後の話もおもろくて最高···尊い (2023年3月27日 15時) (レス) @page50 id: 242dc6d800 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 夜月さん» 夜月さま、最後の最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました♥ 頂けたコメントのおかげで、何度助けられたかわかりません…!私もこの夢主、書きやすかったです(笑) また気が向かれましたら、新作も宜しくお願い致します! (2023年1月23日 20時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひよ | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2022年12月20日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。