63 : Trick Or Treat ? ページ21
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まあこれでとりあえずは皆、仮装というかコスプレが整った。
硝子先輩は、実習を終えてから合流することになっている。(ちょうど良いから血まみれの白衣で行くわ、と笑っていた)(リアル過ぎて遠慮したい件)
なので一足お先に、グラス(ジュース)をぶつけて乾杯する。
ナナミンはまだ嫌そうな顔をしていたけれど、雄と五条先輩に絡まれ、結局は付き合ってくれていた。
良い奴、ほんと。
「やっぱりよく似合うよ、そのナース服」
はい、とケーキのお皿を差し出してきたのは、夏油先輩。
つか後でその一眼、データ消してやるからな。
さっきからローアングルばっか撮りやがって。
「悟の推すメイド服じゃなくて、それを着てくれたってことは………」
最終的には私を選んでくれると、期待してもいいかい?なんて。
あざとく顔を傾けられたところで。
『まだこっちのが、スカート丈がマシだっただけですよ』
「嬉しいなあ」
『話を聞いて』
ふふ、と小さく笑う夏油先輩には、大きく顔を顰めてやる。
本当にそういう意味じゃないのだ、期待されても困る。
…………もし本気だというなら、尚更。
先日の、逃げようもないあの「宣言」以降___出来る限り二人を避けてきた。
まあこの生徒数がクソ少ない学校では、無理な話だが。
それでも自分なりに。
「……ちょっと避けていただろう? 私達のこと」
『まあ………冷静にならなきゃ、と考えまして』
「意識し始めてもらえたなら、嬉しいよ。私も悟も」
穏やかな笑みを見せる夏油先輩には、どんな反応をすれば正解なんだろう。
溜息しか出ない。
A、とひどく優しく呼ばれ、顔を上げれば。
「Trick Or Treat ?」
『え? ……………あ!』
「はい、時間切れ。…………イタズラしようか」
夏油先輩は素早くケーキから、真っ白な生クリームを指先で掬いとり。
『っ、んんっ……?!』
「良い子だから噛まないでね」
それを一度私の口へと突っ込んだ後、あろうことか___
「………ふふ、甘いな」
お色気満載の仕草で、生クリームがほぼ消えた己の指を……………舐めた。
なめ、舐め……た……? ………はあ?!
我に返った私が『ん"ん"ぎゃあ"あ"あ"あ"!!』という世にも汚い叫び声を上げたのは____
言うまでも、ない。
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ひよ(プロフ) - ナミさん» ナミ様、こちらの話し作品にまでコメント頂き、本当にありがとうございました!嬉しかったです♥️ (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します。すごく面白かったです!最後まで面白いです!!最高です(^^) (2023年4月8日 10時) (レス) @page50 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - みーちゃんさん» みーちゃん様、はじめまして!完結済みのこちらにコメントして下さって本当にありがとうございます♥️ めちゃくちゃ嬉しかったです!お気に召して頂けたようで、光栄です! (2023年3月27日 16時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - 最高過ぎます...。オチが夏油サマと五条サマが交互にいらっしゃる(語彙力)のが最高過ぎますしTT最後の話もおもろくて最高···尊い (2023年3月27日 15時) (レス) @page50 id: 242dc6d800 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 夜月さん» 夜月さま、最後の最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました♥ 頂けたコメントのおかげで、何度助けられたかわかりません…!私もこの夢主、書きやすかったです(笑) また気が向かれましたら、新作も宜しくお願い致します! (2023年1月23日 20時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
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