二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

39 : あわれ巻き込まれ ページ40

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突然現れた、無駄にデカい(悪口)男二人。

それも殺気に近い何かを醸(かも)し出している様子に、あわれ我が初恋の彼は、目を見開いたまま言葉を失っている。



ワカル。怖いよね特級術師って。

安藤(注・初恋の人)は多分、呪力とか感じない人だろうけどさ。
やばそう、ってのはわかってもらえると思う。


これ以上は絡まない方が良さそうだと判断し、またね、とこの場を立ち去ろうとしたその時。



「ああ、Aの初恋の人。安藤くん、だったっけ？」


『ほんっっと期待を裏切らない立ち回りしますよね、硝子先輩って』



絶対面白がってる。


そんな紹介のされ方をした安藤はもう一段驚いちゃってるし、最強はあからさまに「あ"？」とか凄んでるし。

それと前髪先輩、彼を値踏みするみたいな視線やめたげて？ コワイから。視線だけでコワイから。


え、どうすんの？ このわりとカオスな状況。



『責任取ってくれますよね硝子先輩』


「え、ヤダよ」



秒で断ったよ。(遠い目)


とりあえずはここから、彼を逃さねば。

妙な場に巻き込んで、ごめんと思うよ。
私のせいじゃないけど。



「お前さ、今更コイツに何か用？」


「答えによっては、色々と詳しく聞かないとね」


『物騒！ 指の関節鳴らしながら、言っちゃダメなやつ！』


「あ………いえ、俺はたまたま……」



だよね知ってる！

たまたま街中で見かけた元・同級生に、挨拶しただけなんだよね！



かわいそうに、私の初恋の人はいきなり自分が置かれた………いや追い込まれた状況に、戸惑っていらっしゃる。

今すぐ、逃してあげるからね……！



『あの、引き留めてごめん安藤。私、先輩達と待ち合わせしててさ。またね！』


「また、って何だよA。まさかコイツとまた会う気があ、」


『いいから最強はもう黙っとけ！』



こんな雑なお別れを、腐っても(？)初恋の人にするなんて、と心の中で泣きながら。


私は未だ状況を理解していないであろう彼を一人残し、無駄にデカい先輩二人とゲラ笑う華奢な先輩一人を、全力でグイグイと押し。



その場から、立ち去った。


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