二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

38 : 初恋エンカウント ページ39

・






ひひひひ、と大きな瞳を細め、硝子先輩はほくそ笑む。



「お高い美味しいもの食わせてもらってさ、何なら服とかも買わせてやろ」


『悪いお顔』


「余ってる金は使わないと。経済回すのも大事」



不敵に笑う硝子先輩に、雑魚の後輩である私が逆らえるはずもない。クソが……！


待ち合わせ場所に向かおうと歩き出した先輩の後に、(心の中で)舌打ちしながら付いて行こうとした＿＿＿＿＿その時。



「A……？」



正直、背後からのその声だけでは、すぐに誰かはわからなかった。

名前を呼ばれ、反射的に振り返った先には。



『……え、安藤……？』


「あ、良かった。やっぱAだった」



久しぶり、と愛想良く笑った人は私の。



「A、誰？」


『あ、私の小・中の同級生で』



シンプルに尋ねてきた硝子先輩に、その彼の表向きの肩書きと共に。



『………いわゆる、初恋の相手です』



最後だけはさすがに声を落とした私に、硝子先輩は遠慮なく笑い出した。

いやほんと先輩、鬼よりひどい時がありますからね情緒。



「何それ、少女漫画みたいでウケる」


『写真とか撮らないで下さいよ、いたいけな一般人相手に』



念のため釘を刺してから(だってやりかねない)、軽く1分は放置してしまっていたその彼に、向き直った。



『偶然じゃん久しぶり。元気だった？』


「元気元気。Aも買い物？」


『うん、そう。高校の先輩と一緒にね』



隣の硝子先輩をさり気なく紹介すれば、私の初恋のその人は悲しきかな、先輩をガン見した。


………まあ気持ちはわかるよ。情緒はともかく、お顔は超美人さんだし。



どうも、と軽く会釈した先輩に、彼も慌てた様子で丁寧に頭を下げる。

ああそうだ、こういうとこ好きだったなあ……なんて淡い恋心を思い出していれば。



「……おい。誰だよテメエ」


「私達の大事な連れに、何か用かな？」


『タイミングわっっっる』



そこに満を持して(？)現れたのは。


我が東京都立呪術高等専門学校が誇る＿＿＿＿＿最強の二人組、だった。



ーーーーーーーーーーーーー


Aさま、こんにちは！

界隈違いなんですが、宣伝させて下さい。(土下座)

現在こちらと掛け持ちで、鬼滅(原作軸)の合作を連載中です！ お友達作者さんと3人で、「書いて出し」リアタイリレーしてますので、鬼滅も読めるよ！と言って下さる方、お待ちしております♡

↓

風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

39 : あわれ巻き込まれ→←37 : 鬼の方が情けはある

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す