二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

33 : しないと出られない部屋 ページ34

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ツレないなあ、と肩を竦めてから、夏油先輩は辺りを見回す。つられて私も。



「普通に部屋だね」


『部屋ですね』



そう、部屋だ。(2度目の遠い目)


真っ白な壁に四面を囲まれたここへ、呪霊の攻撃をくらった瞬間、送り込まれたらしい。

申し訳ないことに、庇ってくれようとした夏油先輩までどうやら一緒に。


幸いケガは無かったけれども。



『やっぱドアは開かないですね』



壁に窓は無く、あるのはただ一枚のドアのみ。


ドアノブを押したり引いたり捻ったりしてみた所で、何の手応えも無く。

ようするに私達は今現在、この部屋というか空間に、閉じ込められているらしい。



「簡単に開いたら、むしろ驚くけど………私はあの紙が気になるかな」


『どっちかっていうと私は、あの紙が置かれてるベットの方が気になるんですが』


「それは遠回しなお誘い？」


『んなわけねーでしょ』



何故か目の前には、大きなベッドがひとつ。

それ以外のものは何もない。


仕方無しに二人でそれへと近づき、そこに置かれていた一枚の紙を、先輩がつまみ上げた。



「……愛し合わないと出られない部屋、か……」


『だよね知ってる！ もうそのフラグさっきからばんばん立ってたし！！』


「落ち着いてA」



閉じ込められた空間に、ベッドとくればね！

アレだよいわゆるご都合呪術ってやつ！
何番煎じだよほんと！！


クソがァ！と思いきり壁を蹴った所で、当然ビクともしない。チッ、蹴り損。



「……少し下がっていてくれる？」



その様子を見ていた先輩が、私を手で制した。
何かするのを察知し、大人しく指示に従う。


その広い背中へ隠れるように下がれば、掲げた手のひらから現れる大きな呪霊。

夏油先輩の呪霊操術だ。



＿＿＿＿次の瞬間。



『うっっわイリュージョン！』


「A、ちょっと黙ろうか」



それの口からものすごい威力の衝撃波が、ドアに向かって放たれたのだった。


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