二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

27 : 頬ならワンチャン？ ページ28

・






チッ、と舌打ちすれば、硝子先輩はいたずらっぽい笑顔になる。



「私は2枚目の画像で、さすがに急いで帰ってきたんだけど」


『2枚目？』



ひひ、と笑う硝子先輩と、何やら呆れ顔っぽい夏油先輩。

それからぬるーい、まるで憐れんでいるかのような視線を送ってくる同期2人。


……………あと何故か、ご機嫌な最強。



嫌な予感がして、夏油先輩のスマホを奪い取りスワイプすれば。



『何してくれてやがんですか……！』



そこには完璧なキス顔をして、私の頬に唇をくっつけている最強と、やっぱりぐっすり眠る私。



「あー寝顔が可愛くてつい？」


『病人を襲う趣味はねえ、ってあれだけ言ってたくせに！』


「まあ落ち着けA。さっき消毒しといてやったから」



アルコールでな、って硝子先輩まさか、その手に持つ缶ビールじゃないですよね？ (やりそう…！)



「……でも悟もよく我慢したと思うよ。こんなに可愛い寝顔を見せられて、ほっぺにチューだけなんて」


「紳士的振る舞いなら、七海には負けねえ」


「何故私なんですか」



ナナミン＝紳士って方程式、五条先輩の中にもあるんだな。

いや負けるよ？ ナナミンの紳士DNAは、北欧仕込みの本物だよ？



すると夏油先輩は何やら含むように、小さく笑う。



「ああでも、襲う度胸が無かっただけかな。意外と最強サマは、Aには小心だし」


「なるほどねー。傑は俺と二人きりで、外で話してーと」


「私なら望むところだけど」


「ダメです夏油さん、寮が崩壊します！」



わあわあと騒ぎ、飛び交う会話に肩を竦めながら、硝子先輩は缶ビールを煽って。



「ま……不本意だろうが、ほっぺなら許してやんなよ。五条の看病、何気に完璧だったから」



私の枕元には、汗を拭いてくれたのであろうタオル。額には冷え○タ。

薬もスポーツドリンクも、確かに飲ませてもらったんだよなあ。



『うーん、まあ………ですね。今回は……』


「あ、A。彼シャツ姿撮りてーから、ベッドから降りてその裾ちょっと捲(まく)って？」


『やっぱダメだこの人』



そんなもの撮らせてたまるか。


私は眉を大きく寄せてから、しつこくダダをこねる最強を無視し、再び布団を頭まで被った。


・

28 : ヤダヤダヤダヤダ！→←26 : 距離感がおかしい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す