二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

26 : 距離感がおかしい ページ27

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ぼんやりとした意識の中、いくつかの声が聞こえた気がした。



「あああ！ 桃鉄また負けた！」


「チョッッッロ！ 灰原チョッッッロ！！」


「こら。悟も灰原もうるさいよ」


「Aが起きるだろ。声のボリューム落としな」



聞き覚えのありすぎるそれらに、ゆっくりと目を開ける。

薄暗くされた照明、最初に視界に入ったのは、ベッドのすぐ脇に座って本を読む＿＿＿＿



『……ナナミン……？』


「起こしてしまいましたか」



具合は？と尋ねられ、気分が良くなっているのを自覚する。頭痛もだるさも、ほとんど無かった。



「あ、A起きた？」


「硝子先輩もいる……」



覗き込むように顔を見せたのは硝子先輩で、小さめの綺麗な手が、ゆっくりと私の額を撫でる。



「一応診たけど、風邪だと思うよ。五条が薬飲ませたって言ってたし、私は特に何もしてないけど」



熱も下がってるみたいだね、と微笑んだ硝子先輩の背後は、雄に夏油先輩、それからこの部屋の主。



『え……みんないる……？』



「授業終わってAの部屋行ったら、誰も居ないしさ。五条さんに拉致されたんだと思って、すぐこっちに来たんだ！」


「後輩からの信用、なさ過ぎじゃね俺？」


「クズは自業自得」



五条先輩をバッサリと切り捨てた硝子先輩に、雄は大きな声で遠慮なく笑い、ナナミンまで小さく肩を揺らす気配。



「夏油先輩とナナミン、任務は……？」


「もちろん終わらせてきましたよ。灰原から、Aさんが熱を出したと連絡が入ったので。急いで」


「私も。ドヤ顔の悟から、Aの寝顔の画像なんて送られてくれば、それは急ぐよね」



ほら、と夏油先輩がかざしたスマホには、このベッドで完全に寝入った私に寄り添うように、顔を近づけて笑う最強。



………いやだから近いんだよ距離感。


あと何でいばってんの？？


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