二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

24 : 最強の気遣いに震える ページ25

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私を抱えた最強が数歩、スキップで廊下を進んだ次の瞬間。



「はい到着〜」


『イリュージョンですね最早』



身体がふわ、って一瞬したのはきっと、熱のせいだけじゃない。

急に訪れた浮遊感に思わず目をつぶり、またすぐ開ければそこは。



『ここって……』


「ん、俺の部屋」


『は？？』



さして物は多くない部屋の中、唯一目立つのはホテル並みにバカでかいベッド。

まあバカでかいしな、この人。(2回目)



熱のある残念な頭でも、自分の置かれた状況を把握した私。


とりあえずは、抱きかかえられている腕からの脱出を試みた。

あークソッ、身体おっっっも……！



「おい何暴れてんだよ」


『いや食われる前に、自分の部屋戻ろうと思って』


「あ？ だから病人襲う趣味はねえって、」


『じゃあ何で私の部屋じゃないんですか』



至極まっとうな質問を重ねれば、最強はその整い過ぎた顔面を少し歪ませた。

歪んでも美人。ムカつく。



「………入られんの、やだろ」


『え？』


「お前、自分の部屋に俺入れんの嫌じゃねーの？」


『あ』



入れてくれるっつうならいつでも行くけど、と鼻を鳴らしてから、先輩はベッドにゆっくりと私を降ろす。



「熱高えから、汗もかくだろうし。シーツ洗ったりすんの、面倒くせーだろうし。勝手に冷蔵庫だのクローゼットだの開けられんのも、嫌じゃねーかなって」


『………』



これもしかして気遣い……？！(震え声)


え、最強が他人に気遣い？？

この天上天下唯我独尊を、見事なまでに地でいく人が？？



『この世の終わりなんじゃ……！』


「そんなに俺に食われてーなら、今すぐ喜んで実行してやってもいーけど」


『良かったやっぱクズだった』



クズさを確認して安心するのも、どうかとは思うけれど。



あ、気が抜けたらまた頭痛くなってきたな……

そうだよ、私お熱ある人だった。



……………このツッコミ体質、治そ。(決意)


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