二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

17 : 親友からの報告 ページ18

side 五条悟






単独任務を終え、寮に戻ったのは22時を回ったところ。

あまりの空腹に、夕食は移動途中の車内でコンビニ飯を腹に入れた。不本意ながら。



「おかえり、悟」



一応、消灯時間というものは決められているが、学生といえども呪術師。


呪霊が悪さをすれば、夜中だろうが明け方だろうが食事時だろうが、関係ない。

だから消灯時間なんて、あって無いようなもので。



「は？ 何？ まさかの俺待ちかよ」



共有スペース、いわばリビングのような場所にあるソファに座っていたのは、高専入学以来の親友というか悪友というか。


あーあ。
出迎えられるなら、ここはAが良かった。


こんな図体のデカいむさ苦しいヤローなんかじゃなくて、とあからさまに眉を寄せてやる。



そんな俺の思考などお見通し、というように「私の出迎えでは不満かい？」と笑うのは、数少ない同級生の１人・夏油傑。



「不満に決まってんだろ、疲れが倍になんだけど」


「Aじゃなくて悪いね」



余裕そうに笑い続ける傑に「オ"ッエ"ー」と舌を出してやれば、「ガキくさいなあ」と、今度は呆れたように肩を竦められた。

仕草がいちいちキマっててうぜえ。



「報告しておこうと思って。私も、Aとキスしたんだ」


「あ"あ"？」



聞き捨てならないと秒で凄(すご)めば、次の瞬間、思い当たる。

この話題は記憶に新しい。







数日前。


遠方の任務へ出向き、サクッとそれを祓ってから、その土地の名物であるらしいお菓子を入手した。

(限定品だとかで、その店にお行儀良く並んでまでお買い上げした) (そして注目を浴びた。GLGの宿命)



任務で土産を買ってくること自体は皆、珍しいことじゃない。

ただこの春以降、確かにそれはより頻繁になっていた。



理由は単純明快。

Aを餌付けするため、だ。


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