風柱、拾いました【不死川実弥】

Day １ ページ7

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『しなずがわ、さねみ………さん』



わかりやすく発音した私に、その人＿＿＿自称・不死川実弥さんは小さく頷いた。

やっぱり見れば見るほど、私が夢女の想像力を駆使して妄想してきた風柱だ。まんまだ。



あ、これアレかな？！
まじもんの夢じゃね？ 夢しょじゃなくて、ねんねして見る夢！


きっと私、酔っ払ってどっかで寝てんだな。
出来れば電車内とか路上じゃなくて自宅、せめて玄関内を希望するが。



『理解しました』


「あァ？」


『これは夢しょの神様が見せてくれている、本物の夢……！』



その綺麗な(いや風柱って美人さんですよね皆さん、お目々がビキビキ血走ってない時は)お顔に大量の疑問符を浮かべた、自称・不死川実弥さん。


意味わからんくて引いてますよね。
でもいいんだ、これは夢。


…………何なら風柱さまに呆れられる設定とか、好物ですし！



『不死川さん、とりあえずここじゃ何なので』



うちに来ませんか、と大胆に誘った。
どうせ夢だからな。


あーその「胡散臭ェ」って言いたげな表情！ 見解一致！！



『私、この近くに1人で住んでるんです。喉乾いてるとかどこか怪我してるとか、ありません？ もちろん危害なんて加えませんし』


「………」


『もう夜も遅いし、不死川さんはここがどこか、よくわかんないんでしょ？ 朝………明るくなってから、調べた方が』



すごいな。夢の中なのに、我ながら必死。

だって初めてなんだよ、夢に風柱出てきたの。
この機会を逃してなるものか！


もはや仕事中の数倍の熱心さで、そんな風に口説いていれば。


彼はもう一度、辺りを見回し。
そうしてひとつ、大きな溜息をついた。



「……アンタ随分、お人良しだなァ……」


『いえ、それは相手が不死川さんだからです！』



うひひひ、と下心丸出しで笑えば、不死川さんは眉をきつく寄せたが……………結局は。


陽が昇るまでだけ頼む、とその場で頭を下げてくる。やっぱ常識人だよな。それも見解一致。




……………っしゃあぁぁぁぁ！！


意地でもあの胸筋、拝んでやらァ！！!(決意)


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