風柱、拾いました【不死川実弥】

Count Down , ３！ ページ1

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『あー次何飲もっかなー焼酎にしよっかなー』



ダン、と空になった生中のジョッキを居酒屋のテーブルに置き、ドリンクメニューを手に取った。


向かいに座る学生時代からの親友は、そんな私を何とも形容しがたい表情で見ている。


憐(あわ)れん………いや、蔑(さげす)んでんのかな？ どっちかっていうと。




結局、そば焼酎のお湯割りという何ともおっさんくさいものを頼んでから、はあああ、と本日何度目かの大きな溜息をついた。



『……もう2年近く、付き合ってきたのにさ……』


「結婚するかな、って思ってたよ何なら」



私だって思ってたよ！

つい先日25歳の誕生日を迎えた私、それはもしかしたら、そう遠くはない未来に有り得るかもって。


はあああ、ともう一度息を吐き出せば、親友は思い出し笑いで、失礼にも軽く吹き出した。



「やーしかし、振られた理由がひど過ぎるよね」


『だよね！ ひどいよね！！』



勢い込んで同意すれば、「そーいう意味じゃなくて」と親友はあっさり否定する。



「浮気とかすれ違いとかさ、よくある理由じゃないじゃん今回。原因はAでしょ、どう考えても」


『え！』


「いや今驚くことに驚くわ」



彼には何なら同情してる、と肩をすくめ、我が親友はワイングラスへ優雅に口をつけた。


………そうか。悪いのは私なのか。
世間一般ではそういう見解になるのか。



『でもさ………彼氏彼女の大切なものじゃん。全て受け入れろ、とまでは言わないけどさ……』



見て見ぬフリはして欲しかった！とテーブルを叩いたところに、そば焼酎(お湯割り)が運ばれてきた。

あ。すみませんいただきます。


ズズ、とそれを啜る私を、親友は「うーん、でも」と頬杖などつきながら眺め。



「彼氏彼女が、二次元のキャラクター？ それにガチ恋した上、お花畑なヤバい妄想を、自分でがっちり形にまでしてたらやっぱ……」



多少は複雑な気分になると思う、と導かれた結論には確かに、反論出来なかった。


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