1 : → →→ 乙骨憂太 ページ1
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【乙骨くん X 高専先輩 = 切なめからの甘】
「あの………大丈夫、ですか?」
他に誰も居ない場で、彼の方から話しかけてきたのは、これが初めてだった。
1学年下に、「何だかとんでもなく訳ありそうな」編入生が来たと聞いたのは、もう数ヶ月前のこと。
そもそも各学年がたったの3、4名程度、という特殊な環境の
だから当然、彼とは何度も話したことはあったけれど、そこにはいつも誰かしらは居たから。
好きな方を、と差し出されたのはミルクティーとココアの缶で、温かそうなそのひとつに、お礼を言って手を伸ばす。
その後輩も残りの缶を片手に、私の隣へと腰を掛けた。
冬の夕暮れは、綺麗だけど冷たい。
どこもかしこも。
ご馳走してもらったココアを啜れば、その甘さと柔らかな香りに、何だか泣きそうになる。
ごまかすように、少し無理をして笑った。
『めずらしいね、今日は一人?』
つい先日、その「訳」からは自由になったらしい後輩____乙骨くんは大概、同学年の友人達と共に居る。
編入したての頃より格段に、明るい笑顔を見せながら。
私の問いに、乙骨くんは眉を下げて笑った。
「今日はみんな、任務とかバラバラに入ってるんです。僕も今帰って来て、何か温かいもの欲しいなって」
あはは、なんて見せた笑顔は、人好きのする。
『今日寒いもんね。ありがとう、私にまで』
「いえ、僕もAさんが居て良かった。やっぱり一人は…………寂しい、です」
ひどく実感のこもった感想は、以前の彼の「訳」に関係するのだろう。
あまり詳しくは、聞いたことがないけれど。
そんな彼が発した「一人は寂しい」という言葉は、まさに今。
……………私が数日前から心の中で、叫び続けているものだった。
『うん、寂しい。一人は』
寂しいよ、すごく。
ねえ金ちゃん、綺羅羅。
どうして私に何も_____
言って、くれなかったの?
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ひよ(プロフ) - まる麺さん» まる麺さま、はじめまして!コメントありがとうございますめちゃくちゃ嬉しかったです♥ ぶっ通し…!眼精疲労は大丈夫でしょうか、、でも胸焼けして頂けたようで良かったです😭 (10月29日 11時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - 最初から最後までぶっ通しで見ましたが甘々で胸焼けしますね!とっても良いです!素晴らしい作品をありがとうございます! (10月29日 3時) (レス) @page38 id: 1349e0699e (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ナミさん» つまり、メアド要の「ログイン」をしなければのりません。ナミ様の下記の端末ですと非ログとお見受けしますので、、そちらからでは閲覧できないかと思います。大変申し訳ありませんが、可能ならログインしてプロフィールを取り、設定をお試し下さいませ! (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ナミさん» ナミ様、はじめまして!コメありがとうございます♥️ 嬉しかったです!こちらの続編ですが、アール18フラグを立てているため、アール18作品を閲覧できるように、マイページ→設定→コンテンツの設定にて「18歳以上ですか?」に「はい」のチェックが必要です。 (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 初コメ失礼します!すごく面白かったです!質問なのですが,続編ってどうすれば見れますか?分からなくて…,もしよろしければ教えてください!! (2023年4月8日 11時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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