《後編》改）言えない師範と言わない継子【不死川実弥】

47 : 擬音語しか勝たん ページ8

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「………ぐあああ〜ってきました！グッてしてぐあーって、心臓とかがばくんばくんして耳もキーンてして、メキメキィッて！」



拳を握りしめながら、恋柱・甘露寺蜜璃がそう一息に言い募った途端、その場はシン、と静まり返った。



……………蜜璃に悪気はミリもないんです。(遠い目)





あ、師範の目がやべえ。

伊黒様でもフォローは難しいよな、頭抱えちゃってるもんな。


とはいえ補佐の立場では、黙って末席で控えるのが精一杯よ。

許せ蜜璃、アイシテル。










師範の予想通り、今回の闘いにおいて鬼殺隊の被害が少なかった理由が、あまね様から説明された。




痣者＿＿＿＿


私はもちろん、師範や他の柱の皆様もほぼ、ご存知なかったようだが。



要するに時透様と蜜璃は、この痣が発現したから上弦に勝利して尚、命の危険を回避出来たらしい。



とてもまだ14歳とは思えない、時透様の至極わかりやすい説明によると、その発現の条件は。



「チッ、そんな簡単なことでいいのかよォ」



どこがだよ、という師範へのツッコミは何とか飲み込んだが、安定の冨岡様が安定に師範を煽っている。


いや冨岡様、師範と仲良くしたいんじゃなかったの？

方向性間違ってる。



でもまあ確かに、心拍数200以上・体温39℃以上の状態で、人って闘える………どころか動けるか？とは私も思います、ええ。



「では痣の発現が、柱の急務となりますね」



しのぶ様の結論に、その場の皆は一様に頷いた。



痣が有るのと無いのとでここまで結果が違うなら、目指すところは当然そうなるだろう。


これアレだな、師範の稽古が更に過酷になるヤツだな。(遠い目)(2回目)



これも鬼を滅してヨメにいくため、頑張れAと覚悟を決めていれば。



「………ただ一つ、痣の訓練につきましては、皆様にお伝えしなければならないことがあります」



あまね様の澄んだ声音に、場は今一度静まり返る。



そうして厳かに語られたもの。


それは私の大切な親友は、既に後戻りが出来ないという………………





ひどく残酷な、予言だった。


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