65 : 蟲柱の覚悟を知る ページ26
side 栗花落カナヲ
『蟲柱様を、侮辱するんじゃねェ!!』
激しい怒りを隠そうともせず、Aさんは怒号を上げながらその鬼へと向かっていった。
飛んだ瞬間、真っ白な額からのぞいたもの。
あれが____
(………痣者、というそうです)
まだ鮮明に耳が覚えている、しのぶ姉さんの声。
「一定の条件」を満たせば、剣士の身体に現れるらしい、痣。
発現させた者は、元の何倍もの
たった今、ここへと飛び込んできたAさんにはまだ、それは確認出来なかったはずだ。
そんな一瞬で、発現するものなんだろうか。
ガキィッ!!と金属同士が激しくぶつかるような音に意識を戻せば、Aさんの刀とあの鬼の扇が、火花を散らしている。
続けて振りかざされたもう一つの扇をかわしながら、Aさんは後方に
「Aさん、あいつの出す冷気を吸わないで」
『わかった。他には』
隙は見せず刀も構えたままのAさんにもう一つ、短く伝える。
しのぶ姉さんの。
鬼殺隊・蟲柱様の……………………覚悟を。
「伊之助、Aさん!! 焦らないで!! 落ち着いて!! もう少しだけっ……」
あと少しだけ粘れば、絶対に。
伊之助も合流してくれたというのに、私達は未だ上弦の弐へと、決定的な攻撃を与えられずにいた。
(姉さんの言った通りだね)
甘い考えは捨てろと言われた時にはまだ、ちゃんとわかってなかったの。
姉さんと私が一緒に戦えば、絶対に倒せるって。
本気で思ってた。
(………きた……きた……!)
血鬼術で氷の人形を残し、部屋を出て行こうとした鬼の異変には、当然すぐに気づく。
この瞬間をずっと、待っていたのだから。
「花の呼吸・終の型…………彼岸朱眼」
狙った頸へと刀を入れた腕が、血鬼術の鋭い冷気で凍りついていく。
斬りきれずに止まってしまった所へ、私の刀目掛け、伊之助が自分のそれを投げてきた。
勢いに押されるように、また刀が進んで。
『っ、いっけェェェ!!』
氷の刃から私を守ってくれている、Aさんの声がすぐ近くで響く。
2人の仲間から大きな力を貰い。
………………ついにその鬼の頸は、胴体と分かたれた。
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ひよ(プロフ) - すみっことかげさん» すみっこさん、こんにちは! お忙しいのに一気読みまでして頂き、、申し訳なさとありがたさで泣いています…!ちょっと……師匠とは誰のことかわかりかねますが(すっとぼけ)、私もすみっこさんのお話を応援しておりますので、更新頑張って下さい♡ (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - はなちゃんさん» はなちゃんさん、こんにちは!コメントありがとうございます! すっごく嬉しいです♡ 「とっくに」まで読み返して頂いたとは……キャラ同士の掛け合いは意識して書いているので、そんな風に感じて頂けるのは本望です…!また友限のお話でお会いしましょう♡ (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 凜音さん» 凛音さま、はじめまして!コメントありがとうございます♡ 読んで頂いた上、そんな風に言って頂けて泣きそうです…! はい、私も凛音さまに新作通知を出せるよう、妄想に励みますね!(変態っぽくてすみません)またお会い出来ることを楽しみにしています! (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 那拓さん» 那拓さま、はじめまして!コメントありがとうございます嬉しいです♡ おお、原本の方もお読み頂いたんですか、、読みにくくて申し訳なかったですが(泣)、、そんな風に言って頂き本当に嬉しいです! (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - あさひゆうひさん» 本当に忙しい時だったのに、、読んでくれてありがとうございました(泣) そうね、師範の連載終えた頃にレッド2にコメ行ったんだよな、確か。あの頃は、まさかキミとこんな関係性(意味深)になれるとは思っていませんでした…!! 内容まで覚えててくれて愛しかねえ!! (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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