《後編》改）言えない師範と言わない継子【不死川実弥】

51 : 柱稽古 DE 大乱闘 ページ12

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『ううう………脚……脚やべえ………』


「A、大丈夫ー？ 大キナ岩ダッタネー」


『岩柱様の稽古、体力的にキツ過ぎたんだが………これもう私、痣出たと確信してる』



むふん、と期待して相棒の鎹鴉を仰ぐ。

風花はウーンと私をジロジロ眺めてから、おもむろに首を振った。
　

まじか。絶対出てると思ったのに。









宇髄様の「基礎体力向上訓練」、時透様の「高速移動の稽古」を何とかクリアした後は、親友でもある恋柱の元へ。



…………いや「地獄の柔軟」てさ、ほんと地獄だった件。(遠い目)


お下品でごめんなさいだけど、お股裂けたかと思ったわ。



『伊黒様の太刀筋矯正も中々……』


「アレハ言葉ノ暴力、ッテヤツネ！」



斬撃と同時に、罵詈雑言まで飛んでくるの。


しかも静かにネチネチとな。

あれ結構、メンタルやられる。



そして極めつけは、つい先程(何とか)終えてきた、岩柱様の「筋肉強化訓練」。


バカでかい岩を一町押す、って何事よ。



『やっば私、柱にはなれないわ。あんな変人………いや言葉のチョイス違った、個性豊かじゃないもん』


「物ハ言イ様ネ」



まあの。

でもあの人達に比べたら、私って凡人だとつくづく思う。



『しっかしヤバいなー。まだ痣出てないの、師範に叱られそう』


「カモネー」


『師範の稽古が残ってるから、まだワンチャン』


「Aニ痣出ルマデ、実弥様キットコロス気満々デクル」


『それな過ぎて』



その状況が容易に想像できてしまい、思わず身震いしてしまう。





…………………その時。



前方からものすごい速さで飛んできた、もう一つの黒い影。


どうした爽ちゃん、そんなに慌てて。



「………カァァァ！ A、大事件!! 実弥、屋敷デ大乱闘開始ィ!!」


『何で柱稽古が大乱闘になるのか、も少しkwsk』


「チョット何言ッテルカワカラナイ!!」



イイカラ早ク戻リヤガレェ！と、爽ちゃんに突付かれながら、駆けること10分。


何やらやたらと騒がしい、住み慣れた屋敷へと飛びこんだ。



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