《前編》改）言えない師範と言わない継子【不死川実弥】

14 : 何故に男子なのか ページ15

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「………んで、コイツがお前らと共に潜入任務にあたるAだ。挨拶しとけ」



遊郭潜入任務開始、当日。

宇髄様との待ち合わせ場所である、藤の家紋の家に着いた私を出迎えてくれたのは。



「竈門炭治郎です！ 宜しくお願いします！」


「お前メスのくせに、まあまあ強そうな気配だな!! オレと勝負しやがれ!!」


「い"い"い"い"い"や"ああああ!! 誰?! どちら様?! めちゃくちゃお綺麗なお姉さま!!」



オレ我妻善逸です！ と続けた、やかましい金髪くんはワンチャン許そう。(一応名乗ったし)

猪人間はとりあえず落ち着け、刀を抜くな今ここで。




え、何？

鬼殺隊って万年人材不足とは言われてるけど、こんなキャラ立った子達にまで、入隊認め始めたの？(困惑)



『あ、階級・甲のAAです。宜しくね』



まあそれでも、挨拶は肝心だ。

頭を下げてから、宇髄様へと視線を移す。



『宇髄様………今、共に、っておっしゃいました？』


「あーワリイ。蝶屋敷のガキ同行させようとしたら、嫌がりやがってなー。コイツらが代わりに、っつうから」



連れてきた、と簡潔にまとめた宇髄様。


なるほど経緯は理解した。

した、けども…………



『ちょっと無理ありません？ みんな男子じゃ』



遊郭の店に入り込むには当然、女子であることがまずは大前提なはずで。



「しゃあねえだろ？……………ま、こっからがこの祭りの神の、腕の見せ所ってヤツだ！」



ちょーっと待ってろよ、と宇髄様は何やらゴソゴソと、荷物を漁る。

並べられていく白粉や紅を見て、その意図に思い当たった。



『あー……………女装、ですか』


「あ?! 何だそれ食いモンか！」


「違うぞ、伊之助。女装というのは、男が女性の格好をすることだ」



あ"あ"?! と激高しかけた猪くんを、どうどうと宥める………………竈門くん、とやら。


金髪くんは何か私のすぐ隣でモジモジうふうふ笑ってるし、多分この竈門くんが一番マトモと踏んだ。




…………………濃そうだなあ、このメンツ。



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