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「昼メシ、ってのがなー。酒飲むワケにいかねえし
よ」
「ふふ……会議の後ですしね。気分的には確かに」
「全く貴様らはすぐ酒を欲しがるな」
連れ立って入ったのは、彼とも来たことのあるイタリアンだった。
立て掛けてあるワインリストを恨めしげに眺める宇髄課長に同意すれば、伊黒課長の眉間は寄る。
伊黒課長は普段からあまり、お酒は飲まない。
ランチのコースからそれぞれ注文を終え、ペリエで乾杯となった。
「ま、婚約おめでとさん」
「……ありがとうございます」
「お前の異動の時には、落ち着いて言えなかったか
らな」
大体アイツは色々と急過ぎる、と更に寄せられたそれに、思わず笑いが漏れる。
「それなー。いつまでもくっつきやしねえ、って歯
がゆかったってのに……いきなり婚約してやがんだ
からよ」
「それは私も想定外だったって、お話したじゃない
ですか」
運ばれてきた前菜に手を付けながら正直な感想を言うと、やれやれと肩をすくめられた。
直属の上司だった宇髄課長には、異動直前に開いてもらった課の送別会で、散々突っ込まれてもおり。
ある程度は内情まで知っているクセに、この人はこうして時折、からかってこようとする。
「……それでも抵抗感は無かったということだろう」
その隣から発せられた感想に、数秒だけ逡巡して。
そうですね、と答えれば宇髄課長はあからさまに吹き出し、伊黒課長は笑いを堪えている。
「恥ずかしいこと言わせないで下さい」
悪趣味な、とわざと嫌がっている風に続けると、伊黒課長はついに小さく吹き出した。
「……いや、すまない。Aにもそんな可愛げが
あったとは」
「可愛げねえトコが可愛い、っつってたんは、訂正
しねえとなー」
「セクハラで人事部にメールしますよ」
パスタをフォークに巻きつけながら投げてやった抗議は、この二人には何のダメージにもならないのだろうけど。
「……お似合いだと思うぜ? お前ら。ずっと前から
言ってたけどよ」
事あるごとにそう言われていた時には、曖昧に笑って、誤魔化すしか出来なかったっけ。
手を伸ばせばすぐ届くような場所にいた彼に、はっきりとしたことも言えずにいた、臆病だった日々。
…………今はもう。
「……そう見えるなら、嬉しいですけど」
それでもやっぱりフテくされたようなトーンになった私に、二人はまた声を上げて笑ったのだった。
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ひよ(プロフ) - あさひゆうひさん» しれっと続き書いててゴメンナサイww それでもコメまで残してくれるアナタが大好きです♡ ぎゆさんには幸せになって欲しい願望、わかってもらえて嬉しい!! (2021年12月27日 14時) (
レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 続きをありがとう！完全なハピエン！！こういうトーンのお話、ぎゆさんとっても似合う！そんで、ひよちゃん本当に書くのがうまい！言葉に出来ない程ぎゆさん幸せにしてくれてありがとう!!!（秒飛び出来なかったから拗ねて一日コメントしに行かなかったんじゃないよ！） (2021年12月26日 23時) (レス) @page50 id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - りりちゃんコメントありがとうございます!! この前の塩辛さから一転、せっかくのバースデーなので甘いのにしました!! 笑 実弥くんと酒飲みたい私の願望……笑 (2021年11月30日 21時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - あいすさん» あいすさん、コメントありがとうございます!! そう言って頂けて本当に嬉しいです!! 少しずつオトナになっていく実弥くんも、中々良いですよね……あいすさんも更新頑張って下さい!!、 (2021年11月30日 20時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - あさひゆうひさん» コメントありがとうございます!! 告知スマンな、、でもすぐ読みにきてくれるキミが大好きです 笑 バースデー連載お疲れ様♥ 私も書けそうな時にボチボチ頑張りまーす!! (2021年11月30日 20時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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