３: ★「生意気」(不死川実弥) ページ11
side不死川実弥
《いっぱいになればいい》
付き合い始めて3週間ほどが経っても、まだ話したことはなかった。
幼馴染、兄貴分でもある粂野匡近が体調を崩し、勉強を教えに来れなくなった代打として、彼女が目の前に現れた時は、何の偶然かと驚いたものだ。
多分彼女は今でも、それが初対面だと思っているんだろう。
本当は違うといつ告げようか、なんて他愛もないことを考えては、ニヤつく自覚があるのはやっぱり、相当ハマっているのかもしれない。
ーーー あの、年上の彼女に。
「だからテメェは何でついてくンだよ」
誘ってねェわ、と思いきり睨んでやっても、中学の頃からの腐れ縁であるコイツは、全く意に介さない。
「どーせこのままAさんのバイト先行くんだ
ろー? オレもハラ減ってるし」
「あァ? つか勝手に名前呼びしてンなや、腹立つ」
「は?? ちゃんとサン付けしてますけど? 何、実
弥くんはンな小っせえ男だったの??」
引くわーマジ引くわー、とふざけ倒す宇髄の腿には、蹴りをお見舞いしてやる。
それでもダメージを食らった気配すらない筋肉ダルマは、ゲラゲラと能天気に笑った。
「……あーあ、それにしてもお前が、Aサンと
付き合うことになるとはねぇ」
まだ笑いを顔に貼り付けたまま、宇髄はこちらを覗き込んできて。
「最初はオレのが先に、目ぇつけたのによー」
「テメェは別に本気じゃなかっただろうが。ワザと
らしンだよ、クソがァ」
しかもフラれてやがったクセに、と続けてやれば、宇髄はまた、大きな声で笑い。
「この祭りの神の魅力がわかんなかった、っての
は、いずれ後悔するわな。Aサンは」
「ンなことさせっか」
フン、と鼻を鳴らしたオレの頭を小突いてから、ゴチソーサマ、と宇髄は肩を竦めてみせた。
結局、先に帰る気はさらさら無いらしい宇髄と連れ立って、「cafe kabura」に入っていった。
目の前2mには、いつものようにカウンターで接客をしている、バイト中の彼女。
「いらっしゃいませ、」
いわゆる営業スマイルでこちらに顔を向けたAさんの小さめの唇が、あ、と開けられる。
「お疲れェ」
「Aサン、どーも」
「いらっしゃい、宇髄くんも。バイト終わったん
だ」
お疲れー、なんて彼女が笑うだけで。
長時間立ちっぱなしのバイトをこなしてきた疲れも吹っ飛ぶような気がするから、オレも大概だ。
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ひよ(プロフ) - あさひゆうひさん» しれっと続き書いててゴメンナサイww それでもコメまで残してくれるアナタが大好きです♡ ぎゆさんには幸せになって欲しい願望、わかってもらえて嬉しい!! (2021年12月27日 14時) (
レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 続きをありがとう！完全なハピエン！！こういうトーンのお話、ぎゆさんとっても似合う！そんで、ひよちゃん本当に書くのがうまい！言葉に出来ない程ぎゆさん幸せにしてくれてありがとう!!!（秒飛び出来なかったから拗ねて一日コメントしに行かなかったんじゃないよ！） (2021年12月26日 23時) (レス) @page50 id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - りりちゃんコメントありがとうございます!! この前の塩辛さから一転、せっかくのバースデーなので甘いのにしました!! 笑 実弥くんと酒飲みたい私の願望……笑 (2021年11月30日 21時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - あいすさん» あいすさん、コメントありがとうございます!! そう言って頂けて本当に嬉しいです!! 少しずつオトナになっていく実弥くんも、中々良いですよね……あいすさんも更新頑張って下さい!!、 (2021年11月30日 20時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - あさひゆうひさん» コメントありがとうございます!! 告知スマンな、、でもすぐ読みにきてくれるキミが大好きです 笑 バースデー連載お疲れ様♥ 私も書けそうな時にボチボチ頑張りまーす!! (2021年11月30日 20時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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