・EH ページ47
「バンビ、行くぞ」
ソラ「だから僕はバンビじゃないよ！」
そう声をかけるとまた「さっき言ったでしょ、また驚かせようか？」なんてぷりぷりしてる。
俺の後ろを少し遅れてトコトコ着いてくるAがやっぱり可愛く思えるこの気持ちがなんだか恥ずかしい。
「てか、ほんとにお前もてる？何本か持とうか？」
ソラ「できるよ！」
「でも、」
ソラ「できるもん」
「あ、そう、」
ペットボトルを抱えるAの腕は細いといじられる俺よりも細くて、あと何本か持ってやろうかと思ったけど「なめんな！」って感じで言うもんだから出した手を引いた。
DH「ヒョク〜、A〜」
「あ、」
DH「ん？」
俺たちの方へやって来たドンヘが何食わぬ顔で自然とAの手からペットボトルを取り上げた。
それがあまりにも自然で、俺もそう出来たらって思うとちょっと悔しい。
DH「あ、俺このスポドリ好きなんだぁ」
ソラ「スポドリに違いあるの？」
DH「あるよ〜」
ソラ「へぇー、どんくらい違うの？」
DH「ん〜とね…ん〜…」
ソラ「そんなに考えなくてもㅎㅎㅎ」
今まで二人きりでなんかちょっと楽しかったのに、なんかドンヘにAを取られたみたいな感じ。
「てか、お前なんで来たの？」
DH「カンインヒョンが「1号と2号だけじゃ人数分は持てない」って、」
ソラ「うわ、ひどい」
「ふざけんなよな、俺たちだけで出来るわ！」
ドンヘはいつの間にかAの分のペットボトルを全部抱えてた。
…俺のも持てばいいのに。
練習室に戻るとみんなが待ってましたとばかりに俺たちに群がって、飲み物を取ってった。
「あ、ヒョン！俺たちだってね、この位は持てるんだからな！」
KI「お前ら帰ってくんの遅いから、やっぱり1号2号じゃ無理かなぁって思っただけだろ。優しさだよ優しさ。」
ソラ「僕らだってできるのにねぇ」
KI「お前1本も持って帰って来なかったぞ？」
ソラ「……たしかに」
今気づいたみたいな顔してヒョンを見たA。
いや、弟に対して変だけどさ、なんか悔しいっていうか、俺もああやって出来たのにな〜って思うと…なんかムカつくっていうか、そう思う自分にムカつくっていうか…
…いや、なし！今のなし！
休憩を挟み、ストレッチしているAの横に立った。
「なぁ、アレやってくんね、」
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作者名：りんご | 作成日時：2023年10月9日 17時
