バンビの愛嬌＿EH ページ46
2009年
ソラ「つかれたね」
夜中にまで及んでる振り入れはかなりの体力を消耗する。
休憩を挟んだ俺たちは自販機でスポドリや水を人数分買ってる(パシられた)。
「な…さすがに疲れるわ。昨日も寝れてねーしさ」
ソラ「めっちゃねむいよね」
「……お前、ほんとに眠そうだなㅋㅋㅋ」
立ちながらぼーっとして自販機のボタンを押してるAは話し方もむにゃむにゃしてて本当に眠そう。
赤ちゃんはもう寝る時間だもんな。
二人で手分けして両手にペットボトルを抱えた。
「てかこの量ふたりじゃ無理じゃね」
ソラ「いけるよ〜。ヒョンは非力だなぁ」
「なっ、お前に言われたくねーよ」
ソラ「ヒョンもぼくもいっしょ」
「え？誰と誰が一緒だって？ㅋㅋㅋ」
ソラ「いっしょ」
ふにゃふにゃ〜って笑って俺を見て言ったA。
自分で言うのもなんだけど、Aはかなり俺に懐いてる。
だっていつも「ヒョンかっこいい！」「ヒョンすごい！」って言うし、何かと俺の真似なんかしてさ。
俺に対して(ㅎ-ㅎ)みたいな表情してくる他のマンネ達とは大違い。
「ほら行くぞ、バンビちゃん」
ソラ「バンビ？」
「うん。なんかお前ってバンビっぽいじゃん。赤ちゃんっぽくて可愛い感じ？ㅋㅋㅋ」
ソラ「やー、ちがうよ」
「説得力に欠けるㅋㅋㅋ」
少し口を膨らまして拗ねた表情なのも、そういう所だよって言いたくなる。
ソラ「ヒョクチェヒョン、」
「ん？」
名前を呼ばれて、先を歩いてた俺が少し振り返るとAがぴょんって効果音が付きそうな感じで俺の前に来た。
ソラ「がぉー！！」
片手の指を少し曲げて顔の横に持ってきたAは顔をクシャッとしてそう言った。
「っ、////」
それが不覚にも可愛く思えて、俺は恥ずかしさを隠すために急いで前に向き直った。
ソラ「おどろいた？ㅋㅋㅋ」
「お、おう」
ソラ「あ、ちょっと待って、」
照れた顔を見られたくなくてスタスタ歩いて行く俺を後ろから呼んだA。
ちらりと後ろを振り返れば、ジャージのポケットにペットボトルをいれたのを取り出してるのが見えた。
片手を空けるためにわざわざそうしてたのかと思うと、また可愛いらしいなと思う。
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作者名：りんご | 作成日時：2023年10月9日 17時
