ぼくらの物語：Another Story② (ページ40)

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・KH ページ40

静かに玄関のドアを開けた。

休暇をもらって家族と過ごした。
夜ご飯も食べて色んな話をして、本当は家でゆっくりして明日帰る予定だったけど何となく宿舎に帰ってきた。

休暇を貰ったらみんな家族のもとへ帰るけど、Aには帰る場所がないからよく1人になる。

今回はヌナとヒョンと過ごすって言ってた。いなかったらいなかったでそれでいいんだけど…。

Aの部屋から明かりが漏れていた。やっぱりいた。
ドアノブに手をかけた時、部屋の中から音が聞こえてきた。

俺は思わず耳を澄ましてその音を聴いた。

＜낯설지 않은 길,(見慣れた道) 이 길이 낯설다(この道に馴染みがなくて)

아는 길 맞는지(この道で合っているのか) 내게 또 묻지요(また自分に問いかける)＞

Aの声だ。歌？録音した音だな。
俺はドアノブから手を離して、ドアの前でその歌に耳を傾けた。

＜혹시나 그 사람(もしかしたらあの人も)

날 찾고 있지 않을까(僕を探してるんじゃないか)

나는 지금(僕は今、) 널 찾고 있어요(君を探しています)

장난치지 마,(からかわないでよ) 거기 있는 거 알아(そこにいるのは分かってるんだ)

나타날 거 같아,(また現れそうな気がして) 마냥 기다리다(ひたすら待ってる)

널 찾아가야 돼(君を探しに行かなきゃ) 가야 하는데(行かないといけないのに)

눈물 고요 점점 흐려져(涙で視界が霞んでいくんだ)

울고 싶지 않아(泣きたくない)＞

弾みもある曲調なのに歌詞は何だか悲しくて、それを歌うAの声も感情が籠っている。こんな声も出せるんだ…。

＜눈물은 많지만(涙が溢れてくるけど)

울고 싶지 않아(泣きたくないよ)＞

誰に向けて作られた歌なのか、その声とその歌詞ですぐに分かった。

＜난 괜찮아(僕は大丈夫)
(안 괜찮아(大丈夫じゃないよ))

너 보고 싶지 않아(君に会いたくなんかない)
(너무 보고 싶어(すごく会いたい))

맘에 없는 말들로(心にもない言葉で) 거짓말이라도(嘘をついていないと) 해야돼 해야 돼(そうしてないと)

생각처럼 맘이 말이 듣지 않으니까(心がいうことを聞いてくれないから)

돌아와 돌아와 돌아와(ねぇ、戻ってきてよ)＞

・KH→←泣きたくない