病 ページ26
2008年
病／TREASURE
病の名前は”恋”だった。
夕暮れの空がよく見える日。街の音がよく聞こえる日。統計の針が遅く進むように思えた日。
どこかぎこちない日々を慣れずに過ごしていた。
「A、どうしたの？」
でもそれも全部がヒョンのせいなんだよ。
ねぇ、ヒョンは知らないんだろうけど、知る由もないんだろうけど。私の心はヒョンを見る度にドキドキして、ヒョンがキラキラして見えて眩しいんだよ。
ヒョンのせいで”恋”を煩った。きっと重い病だ。
「A、こっち向いて？ん？何かあったの？」
どうしてそんなに優しいの？
そんなに優しい声で私の名前を呼ばないで、また好きになっちゃうから。
そんなに優しい瞳で見つめないで、またヒョンの瞳の中に私を留めておきたいと思ってしまうから。
そんなに優しく抱きしめないで、またヒョンの温もりを探してしまうから。
始まった時には終わってしまった恋なのに、ただヒョンの傍にいれればそれだけでいいはずなのに、私は欲張りなのかな。
「なんでもないよ」
「本当？」
「うん、本当だよ…」
”恋”だと言われた日からずっと考えた。
どうしていいか分からなくて、夜も眠れなくなったことヒョンは知らないでしょ？
すごくドキドキして、話も出来なくて目を見れなくなってるんだよ。キラキラして眩しいの。
どうしたらいいのかな、どうしたらいいと思う？
忘れようとしても、思い過ごそうとしても、ヒョンが僕の前に現れる度に心が痛むんだ。
ヒョンのせいで”恋”を煩ったんだ、不治の病だきっと。
何してもたくさん泣いてももう治ることない病なんだ。
「それ前に欲しがってたやつか？」
「うん、たまたま見つけたからさ」
「良いじゃん」
「だろ？ㅋㅋㅋ」
欲しがっていたアクセサリーをヒチョルヒョンに見せて笑うそのアクセサリーよりも輝いてる表情にまた惚れてしまう。
たくさん泣いても、何をしても治す方法が無いみたいだ。もう治ることがない病みたいなんだ。
でもね、でも、私はその痛みも抱えていこうと思う。
そうじゃなきゃいけないから。
私の”初恋”はたくさん泣いても笑っても、何をしても治ることがない”病”だけどそれも愛すよ。
あなたのことがとても好きだったよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんご | 作成日時：2023年10月9日 17時
