4話 ページ5
｢コニー準備出来た！？｣
エマと一緒に部屋に入ると、可愛くおめかししたコニーの姿が。
｢どうかな…｣
｢ばっちり！似合ってるよ！ね、A｣
『うん、すごく可愛い』
｢えへへ…ありがとう｣
ハウスから出ていった子達には、新しい家族が出来る。
旅立ちは嬉しいこと。
…でもやっぱり、別れは寂しい。
コニーを見送ってしばらく時間が経った頃、下の階からエマの慌てた声が聞こえてきた。
気になって下に降りてみると、そこにはもうエマの姿はなくて、代わりにレイがいた。
『あれ…レイ、さっきまでエマいた？』
｢あぁ…エマならノーマンと一緒にコニーの忘れ物届けに行ったよ｣
『忘れ物って…門にいったの？』
｢ああ、…お前も気になるなら追いかければ？｣
その時の私は、レイがなんで私にそう勧めたのかわからなかった。
『いや…いいよ。私叱られるのやだし』
そういって苦笑した。
｢そうか…｣
その時のレイと、門から帰ってきた2人の様子が明らかにおかしかった。
気づいていたけど聞いては行けない気がして、私は何も言わなかった。
翌朝。
いつもと何ら変わらない朝だった。
けど昔からずっと一緒にいた私には、エマとノーマンが空元気を出しているように思えた。
現に今2人は、珍しく鬼ごっこに参加せず話し込んでいる。
私が離れた場所から見つめていると、2人はしばらくして森の方へ入っていった。
2人のことを考えてぼーっとしていると、いつのまにか時間になっていた。
｢あれ？2人足りない？｣
｢ママーッ！！！！｣
マルクが慌てた様子で走ってきた。
どうやらナイラと森ではぐれたらしい。
｢大丈夫よ。みんなここから動かないで、いいわね？｣
そう言うとママは、森の方に歩いていった。
それから3分も経たない内に、ママはナイラを抱えて帰ってきた。
…早い。
昔からママって私達を見つけるのが得意だったもんな。
私はあまり気に留めず、こうママに声をかけた。
｢流石だねママ。見つけるのすごく早い｣
にこっと笑いかけたつもりだった。
だけどママは少し目を見開いて、笑うこともなく、ありがとう、と言った。
｢私、何かまずいこと言ったかな…｣
他の子達とハウスに戻っていくママの後ろ姿を見つめながらそう呟いた。
隣では、あの二人が同じようにママを見つめて強ばった表情を浮かべていた。
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作者名：青瀬 | 作成日時：2019年2月23日 23時
