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実験台の上で1ヶ月を過ごした私は柳沢の実験における超理論の要点をほぼ完璧に理解していた。
私自身が実験を巧みに
つまり、人知を超えた破壊の力が手に入るのだ。
私はそれを確信していた。
「お疲れ様でした。…うわっ今日はチェック項目多いなぁ。急いで進めないとまた叩かれちゃう！あの人頭ばっかり狙ってくるから」
愚痴を零す彼女に不都合があるのか問うと、本職のため、頭が悪くなるのは困ると答えた。
そこに、柳沢は現れた。謝る彼女からタブレットを奪い、そのまま腕を振り下ろそうとした彼の動きを、私は止めた。
柳沢が気絶したことに驚く彼女に私は笑顔でこう告げた。
「これで明日も教師ができますね。お互い本職をやるのが一番いい」
*****
数多くの時間を過ごしたため、私とあぐりは旧知のように打ち解けていた。テスト問題の作成を手伝ったり、過去の話をしたり。
実験は円滑に進み、研究員は警戒を強め、柳沢は安全な場所から指示を出すのみとなった。律儀に柳沢の命令を聞くあぐりは…もしもの時の生贄だ。
そんな自分の立場も"死神"がどんどん人ならぬ存在に変わっていくのも感じながら、あぐりは余計な事は何も聞かない。ただ真っ直ぐこちらを向いて、今日も彼女は平和に笑う。
そうか。"見る" というのはこういう事か。
私はようやく、その意味を理解した。
*****
私とあぐりの仲は実験が進むのと比例して深まっていった。私の新しい一面も、あぐりの思いも共有出来るのは私達二人だけだった。
そんなある日、あぐりは唐突に私にプレゼントを渡してきた。
「今日、あなたと知り合えて丁度1年です。誕生日が分からないなら…今日をあなたが生まれた日にしませんか？いっぱいお話聞かせてもらいました。いっぱい相談させてもらいました。出会えたお礼に…誕生日を贈らせて下さい」
「………頂きます」
私は彼女の好意を笑顔で受け取った。
しかし、彼女の顔は曇るばかりだった。
「…でもこれは多分渡せないんです。規則だから。私が直接つけてあげたいのに、色々思い通りに行きません」
「………」
あぐりは自分のクラスへの想いを、自身の置かれた状況を語った。柳沢のために教師でいられるのは今年が最後である、と。
「…"死神"さん。…あなたに触れたい。」
それはあぐりが口にした初めてのわがままだった
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クラスペディア(プロフ) - とても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年11月30日 12時) (
レス) id: 62ecb839ba (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコマメ(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！！頑張ってください！！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: e0e3b2ec8d (このIDを非表示/違反報告)
Liar.@旧雪の飴 - めちゃんこ好きです！！！これからも頑張ってください！！ (2019年7月15日 22時) (レス) id: 1ec8cf476f (このIDを非表示/違反報告)
朱桜よろん - こんなに素晴らしい作品を……ありがとうございます……！次に更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年7月1日 18時) (レス) id: 04adea9d04 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - すごく面白くて好きです！更新されるのを毎日楽しみに待っています！ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 14b092647b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年6月10日 21時
