story:153 ページ7
.
開始直後、私は敵チームの死角を探りながら目的地まで向かった。まさか上手くいくとは思ってなかったけど。
「…カルマ君」
「ｯ…」
彼も、まさかと思っていたのだろう。
驚いた顔でこちらを見、武器を手に取った。
反対に私は、武器を地面に捨てた。
「…俺を殺すチャンスだったのに、撃たないの？」
「殺されにきたから」
彼は、理解不能だと言わんばかりの顔をした。
私はそんな彼を無視して、近付いた。
「私はこの勝負に参加できない。殺すと助ける、どちらも正解だと思ってる。助けたいけど、殺すべきって考えなの」
曖昧な私の言葉をカルマ君は黙って聞いていた
「だからね、お願い。私を殺して。殺されるなら、好きな人に殺されたいの」
私は彼の目を見て、願いを口にした。
不満げに彼は銃口を私に向け、トリガーを引いた
「ありがとう」
私は感謝を述べて戦場から去った。
*****
死亡者の待機場所に行くと、既に開幕アウトのメンバーがいた。味方だ。カルマ君の指示で真っ先に殺された人達。
「アンタ、わざわざ殺されに行ったってね」
ビッチ先生の言葉に頷く。ここには私の事情を知らない生徒がいるから余計なことは言えない。
殺せんせーの解説を聞きながら戦場を見渡す。
記憶は曖昧だが、おそらく原作通りの戦況だ。
あの子も所定の位置にいる。
次々と殺られた生徒が待機場所に集まってくる
ついに、戦場には2人が残された
「渚くーん!! 銃捨てて出てこいよ!! "こいつ"で決めようぜ!!」
その場に響き渡るカルマ君の声。
彼の提案に、渚は姿を現した。
皆の前で宣戦布告されては撃ち殺すなんて卑怯なことは出来ないからだ。まさかの決着の仕方にE組の皆は興奮して2人の近くへと向かった。
「…どっちが勝つと思う？」
「…圧倒的にカルマだろ…と思うけど渚の意外性なら殺れるかもしれねーぞ」
タイマンにおいて圧倒的実力を持つカルマ君と殺しの世界において天才的な渚。
体格差や力量では渚が劣るだろうが、この教室で様々なことを学び、1番力をつけたのは渚だ。故に、戦略や経験を駆使すれば、どちらが勝ってもおかしくはない。
「わ、私はカルマ君にも勝ってほしいです‼」
磯貝君と前原の会話に割って入ったのは、愛美だった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 663人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゅー - 番外編がものすごく楽しみで仕方ないです！この作品は心に響きました。気づけば目から涙がひとつ、ふたつとポロポロ流れ落ちていました。それくらい、この物語に引き込まれていたんだと感じます。このような素敵な作品をありがとうございました！ (2020年5月13日 20時) (
レス) id: 5f57d7ba9d (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 涙腺がああああああ！はい、凄いですね。続編、待っております！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます！みんなの性格を言っていって、思い出を振り返るところ泣きました…。面白かったです。 (2020年4月18日 19時) (レス) id: 99b0958fb1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎葵。(プロフ) - 泣きました。完結おめでとうございます。しばらく泣きます。 (2020年4月10日 19時) (レス) id: 5d39630b57 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - ガチめに泣きました。完結おめでとうございます。他の皆さんのように、番外編が見たいです。 (2020年4月3日 15時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜桃 | 作成日時：2019年12月28日 9時
