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兄と話した後、私は久方ぶりに渡辺家を訪れた。
家に入ると、母がばつの悪そうな顔をして、こちらにやってきた。
「あの…ほんとに...本当に、ごめんなさい」
母は、私に深々と頭を下げた。そして、そのまますべての罪と謝罪を述べていた。涙を流し、嗚咽を漏らしながら。
「顔を上げてください。もう、いいですから」
私が言うと、お母さんはゆっくりと顔を上げた。
その顔には隠しきれていない不安と悲しみが表れていた。
「もう、いいの。過去にされたことは消えないし、ずっと記憶に残ってる」
「ッッごめんなさ＿＿＿」
お母さんの謝罪の言葉を、私は抱きしめることで遮った。
「だから、塗り替えてよ。これからは、家族として、娘として私を見て」
「うん…ごめんね、ごめんね…ありがとうね」
気づけば、私の頬にも涙が伝っていた。
本当は、許せない。
だけどこれが＿＿普通の仲良し家族になることが、あの子にとっての幸せだと思うから。
「A…俺も、ごめんな」
「…お兄ちゃんって実は私のこと大好きだよね」
謝罪と一緒に広げてるその手は何かを尋ねると、彼はうろたえた。
「ま、呼び戻そうと頑張ってくれてありがとね」
そう言って、私は兄を抱きしめた。
*****
「本当にご迷惑をおかけしました」
家族として新しい1歩を踏み出した私達は、早速居候していたビッチ先生の家へ向かった。
「いいえ、私もAさんと過ごせて楽しかったですわ。ちゃんと娘さんを見ててあげてくださいね」
母に優しく微笑んだビッチ先生は、今度は私の方を向いて言った。
"幸せになりなさい" と。
「うん、ありがとう！」
私もそれに笑顔で応えた。
ビッチ先生の家に置いていた大量の服と荷物は少しずつ持ち帰ることになった。しかし、たまに泊まりたいので数着の私服は預かってもらうことにした。
「お前の副担美人だな」
「猫を被ったビッチだけどね」
「え……」
兄とそんな会話をして帰路に着いた。
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みゅー - 番外編がものすごく楽しみで仕方ないです！この作品は心に響きました。気づけば目から涙がひとつ、ふたつとポロポロ流れ落ちていました。それくらい、この物語に引き込まれていたんだと感じます。このような素敵な作品をありがとうございました！ (2020年5月13日 20時) (
レス) id: 5f57d7ba9d (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 涙腺がああああああ！はい、凄いですね。続編、待っております！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます！みんなの性格を言っていって、思い出を振り返るところ泣きました…。面白かったです。 (2020年4月18日 19時) (レス) id: 99b0958fb1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎葵。(プロフ) - 泣きました。完結おめでとうございます。しばらく泣きます。 (2020年4月10日 19時) (レス) id: 5d39630b57 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - ガチめに泣きました。完結おめでとうございます。他の皆さんのように、番外編が見たいです。 (2020年4月3日 15時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年12月28日 9時
