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一件落着したところで、殺せんせーによる冬休みのイベント回収が始まった。
クリスマスから始まり、正月、箱根駅伝、成人式ときて、節分に終わる。
元気なのは先生だけで、生徒は体力的にへとへとだった。
「これで年末年始は思い残すことなし。安心して次の段階へ進めますねぇ」
「次の…？」
渚が問うと、殺せんせーは懐から難関私立、公立高校の過去問題集を取り出した。
「さぁーさ 皆さん。暗殺もいいけど受験もね!！」
殺せんせーの笑顔とは反対に、生徒の気分はだだ下がりになっていた。
私立の受験が２週間をきっているため、現実に戻らざるを得ないのはわかっているのだが、学生としては現実逃避をしたいものだ。
「受験の結果が出た後で再び皆さんと面談をします。それぞれが…
その言葉に私たちは息をのんだ。
殺そうが、殺さまいが、私たちは３年E組ではなくなる。
どちらにせよ、殺せんせーとは、皆とは離れてしまうのだ。
*****
「Aは県外に行くんだっけ」
「会えなくなるね。寂しいよ」
帰り道、莉桜と陽菜乃、ひなたにメグと志望校についての会話をしていた。
山を下るまであと少し…というところで、人影に気付いた。
その影は迷うことなく近づいてきて、私に声をかけた。
「何か御用ですか。お兄様？」
そう、兄だった。夏休みに呼び戻しに来て、それ以来音沙汰なしだったのに、今更なんだというのか。呼び戻すには少し遅いのではないか。忘れられたと思っていたし、正直忘れていた。
「…お前の担任から…県外を志望していると聞いた。一人暮らしする気か？金はどうするんだ？」
妹を心配してか、すごい剣幕で一方的に口を開く兄。
いや、変わりぶりが怖い。怖すぎる。
「みんなごめん！私ここで失礼するね!!」
荒ぶる兄を連れ、私はその場から逃げるように去った。
*****
落ち着いて話そう、と兄に提案して近くのカフェに入った。
事の発端は、冬休み後半のことだった。
なんと渡辺家に不審な生物が訪ねてきたらしい。言わずもがな、殺せんせーだ。
母と兄は人間だというそれに疑問を持ちながらも私の担任ということで家に上げ、話を聞いたそうだ。そこでこの人たちは私の進路先を初めて聞いたのだ。
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みゅー - 番外編がものすごく楽しみで仕方ないです！この作品は心に響きました。気づけば目から涙がひとつ、ふたつとポロポロ流れ落ちていました。それくらい、この物語に引き込まれていたんだと感じます。このような素敵な作品をありがとうございました！ (2020年5月13日 20時) (
レス) id: 5f57d7ba9d (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 涙腺がああああああ！はい、凄いですね。続編、待っております！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます！みんなの性格を言っていって、思い出を振り返るところ泣きました…。面白かったです。 (2020年4月18日 19時) (レス) id: 99b0958fb1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎葵。(プロフ) - 泣きました。完結おめでとうございます。しばらく泣きます。 (2020年4月10日 19時) (レス) id: 5d39630b57 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - ガチめに泣きました。完結おめでとうございます。他の皆さんのように、番外編が見たいです。 (2020年4月3日 15時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年12月28日 9時
