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「…あなたに触れたい。支えてくれたあなたに触れたい。感謝を渡して、最後の1年を頑張る力を与えて欲しい」
あぐりは静かにそう言った。
私は触手を操り、極細の触手であぐりに触れた。
「大丈夫。あなたならできますよ」
「…はい」
*****
私とあぐりが触れ合った後、私は実験の失敗と自分の死を聞かされた。その瞬間、私は過去を思い出した。
そうだ、なぜ忘れていたんだ。
人間とは死ぬために生まれた生物。
増して自分は夥しい人間を葬った殺し屋。
呪われた死を迎えるのは…当然の義務だ。
だが…せっかく手に入れたこの力。
使わずに死ぬなんてもったいない!!
「さよならです、あぐり。私はここを
予定よりやや早いが、それでも私は充分なパワーを手に入れた。計算上でこの独房を充分破れるぐらいに。
「ダメ!! 悪い事する気でしょ、"死神"さん!! 私は…楽しいあなたと一緒にいたい!!」
「止める気ですか」
「はい!!」
「君がどうやって？その腕で？その頭脳で？」
「…え？」
「私以上の才能が無ければ…止めることも救うこともできませんよ」
独房に亀裂を入れた瞬間、私とあぐりの関係にも凍りついたような音がした。
「人質にする利用価値すら君には無い。無駄死にする前に去るといい」
私がそう言うとあぐりは下を向いて実験室から出ていった。
1人になったこの部屋で、私は手に入れた力の威力を試そうと触手を操った。
体内の自爆装置を吐き出し、開きかけた射出口を全て塞いだ。
「ありがとう、柳沢。君の人体実験の拷問に耐え…私はこの体を手に入れた」
柳沢は聡い。故に私がこの実験の主導権を握っていた事を彼は悟っただろう。だが、もう遅い。
誰も今の私には敵うまい。
実験室の壁を破壊すると、目の前には柳沢率いる研究者が出迎えていた。
私は触手などに頼らずとも、研ぎ澄まされた自分の感覚で3人の大動脈を破壊した。
刹那、私の体を何かが貫いた。
しかし、
「この程度じゃ死にませんねぇ」
私は近くのデスクを投げ、対触手物質のフェンスを破壊し、ついでに柳沢を片目を失明させた。
増援など、恐るるに足りない。
私は全てが見えていた。
どれが危険で、どれが強いか。
どちらが生き残るか。
全部、見えていた
そう、思っていた。
暴れ狂う私の体にひとつの温もりが触れた
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みゅー - 番外編がものすごく楽しみで仕方ないです！この作品は心に響きました。気づけば目から涙がひとつ、ふたつとポロポロ流れ落ちていました。それくらい、この物語に引き込まれていたんだと感じます。このような素敵な作品をありがとうございました！ (2020年5月13日 20時) (
レス) id: 5f57d7ba9d (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 涙腺がああああああ！はい、凄いですね。続編、待っております！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます！みんなの性格を言っていって、思い出を振り返るところ泣きました…。面白かったです。 (2020年4月18日 19時) (レス) id: 99b0958fb1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎葵。(プロフ) - 泣きました。完結おめでとうございます。しばらく泣きます。 (2020年4月10日 19時) (レス) id: 5d39630b57 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - ガチめに泣きました。完結おめでとうございます。他の皆さんのように、番外編が見たいです。 (2020年4月3日 15時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年12月28日 9時
